榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

幸せな「人生の午後」を生きるためのヒントがいっぱい・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1355)】

【amazon 『人生のピークを90代にもっていく!』 カスタマーレビュー 2019年1月4日】 情熱的読書人間のないしょ話(1355)

あちこちで、ソシンロウバイの花が芳香を漂わせています。ハボタンがぎっしりと肩を寄せ合っています。因みに、本日の歩数は10,565でした。

閑話休題、『人生のピークを90代にもっていく!――折り返し地点から、「死ぬまでハッピーな人生」をつくる』(枝廣淳子著、大和書房)には、「本当に幸せな『人生の午後』を生きるには、どうしたらよいのか」のヒントが詰まっています。

「ハーバード大学医学大学院の研究チームが、何千人もの人たちを対象に、健康と幸福に関する長期の追跡調査を実践した研究があります。最も幸福感が高いのは、最も裕福な人たちでもなければ、最も大きな業績を成し遂げた人たちでもありませんでした。幸福感の高さと最も強い関連性が一貫して認められた要素は、『親しい友達がどの程度いるか』だったのです」。

著者のメッセージは、3つにまとめることができます。第1は、人生の午前中の義務(会社勤め、子育てなど)からリタイア(引退)するからといって、自分の人生からリタイアしないこと。第2は、自分の外にあるものを追いかけて獲得することで満足するという「幸せの外部依存度」を減らし、あるがままの自分に幸せを感じられる「幸せの自給率」を高めていくこと。第3は、いくつになっても革新し続ける、しなやかで生命力あふれる人でいること。

私に気づきをもたらしてくれたのは、幸せには2種類あるという指摘です。一つは、欲しいものを手に入れた時の満足・幸せ、もう一つは、何もなくても、満ち足りていると感じる満足・幸せ――です。

具体的には、「幸せな家庭」の定義を外す、「毎日やること」のルールを外す、「有意義な時間の使い方」の制限を外すと――ことを勧めています。

現実に囚われずに未来の自分をイメージする方法が示されています。「何回か深呼吸をしながら、『いろいろ気になることはあるけれど、今からの○分は自分の今後を考える時間だからね』と自分に言い聞かせます。やりかけの仕事、読みかけの本、出さなくちゃいけないメールの返事、台所の洗い物など、気になることはあるでしょうけど、30分くらい置いておいても、一大事にはならないでしょう。こうして、物理的な時間を確保するとともに、自分の心のエネルギーも、用事や雑事に散逸してしまわないよう、整えます。『気もそぞろ』では何時間かけても中途半端になってしまいますので。時間の長さよりも、気持ちを向けられるかどうか、です。ちなみに、こういう時に私に効く呪文は、『○分後に戻るから』。自分自身に『○分後に戻ったら、メールも用事も仕事も家事もやるから。ちょっと待っててね』。よかったら試してみてください」。

「『究極の成功とは、自分のしたいことをする時間を自分に与える贅沢である』という言葉を聞いたことがあります。人生の午後には、待ちに待ったこの『贅沢』を手に入れることができるのです。その時間を自分らしくじょうずに使えるよう、『自分で自分の時間をプロデュースする』力を鍛えましょう」。全く同感です。

「自分を成長させ続けるための大事なポイントは、『発信者となる』ことです。まず、何よりも『自分のため』になります。学んだり頭を使って考えたことを、そのままにしておくのではなく、発信することで、学びや思索を本当に自分のものにすることができます。・・・もう一つは、『社会のため』になるからです。せっかく学んだり考えたりしたことをそのまま、自分だけのものにしておくのはもったいない! それを役に立ててくれる人がきっといるでしょう。小冊子や配布資料にまとめるのもよし、ブログやフェイスブック、ツイッターなどのSNSで発信するもよし、近所や地域での会話に織り交ぜるのもよいでしょう」。これと同じ考えで、私も発信を続けています。

いくつになっても、自分の成長を願って努力することの大切さを再認識させられました。