榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

ユーモアたっぷりに鳥に関する情報が絵と文で説明されている一冊・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2567)】

【読書クラブ 本好きですか? 2022年4月28日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2567)

あれ、イソヒヨドリの鳴き声じゃない?と、ずんずん進んでいった撮影助手(女房)が指差す先に、イソヒヨドリの雄(写真1~6)が。あそこにもいるわよ、と指し示す先にはイソヒヨドリの雌(写真7~9)が。番(つがい)のようです。ナニワイバラ(ナニワノイバラ。写真10~16)が見頃を迎えています。

閑話休題、『もしも鳥と話せたら』(じゅえき太郎絵、ペズル文、阿部浩志監修、プレジデント社)は、ユーモアたっぷりに鳥に関する情報が絵と文で説明されています。

●ウグイスの「ホーホケキョ」の「ホー」って、息を吸ってる時に出る音なんですよ。

●カワセミが求愛する時、オスはメスに、食べやすいように、魚の頭を前にして渡すんです(魚のうろこがメスののどにつっかえないように)。

●シジュウカラ、ヤマガラ、ゴジュウカラ、ヒガラ、コガラ、エナガ、メジロなどがいっしょに生活する「混群」は、冬は食べ物が少ないから、他の鳥たちといっしょに探すのよ。木の高い所にいる鳥や、地面に近い所にいる鳥がいっしょに食べ物を探せば見つかる確率も上がるから。まぁ、混群で生きる理由はもっとあるんだけどね、その一つが・・・敵から身を守るためよ。冬って木の葉っぱが落ちて敵にみつかりやすいのよね。だからみんなで連絡を取り合って警戒してるのよ、敵を見つけたらすぐに「タカが来たわよ~」って。

●鳥の60%以上はスズメ目――約1万種いる鳥のうち、6000種以上はスズメ目です。カラス(スズメ目カラス科)もツバメ(スズメ目ツバメ科)もウグイス(スズメ目ウグイス科)も、みんなスズメ目に分類されます。

●鳥に歯はない――鳥には歯がないので、くちばしで食べたら丸飲みし、「素(そ)のう」という食道が膨らんだ器官に一度ためられます。ちなみに、ヒナには生まれる時にだけ卵を内側から割る「卵歯」という歯のようなものがあります。また、くちばしにギザギザがあるんだけどね、る鳥もいます。

●焼き鳥の砂肝は胃の一部――鳥には2つの胃(腺胃と筋胃)があります。素のうから運ばれてきた食べ物は、胃液を出す腺胃で分解され、筋胃で細かくすりつぶされます。焼き鳥などで有名な砂肝はこの筋胃のこと。筋胃ですりつぶされた食べ物は、腸で吸収されます。

●鳥が排泄する白い液体はおしっこ――鳥が排泄する白い液体を「フン」と呼んだりすることがありますが、その正体はおしっこです。フンは黒や茶色っぽい個体で排泄されます。おしっことフンはいっしょに出されることが多いです。

●オシドリはね・・・割とすぐに別れるわよ。今のオスとだって半年も付き合ってないし。オシドリって毎年パートナーを変えるのよ。

●インコとオウム――インコ科は380種以上います。オウムよりカラフルな鳥が多く、冠羽(頭にある長い羽)はありません。オウム科は20種以上います。ほとんどの種に冠羽があります。ちなみに、オカメインコやモモイロインコは名前に「インコ」とついていますがオウム科の鳥。冠羽もあります。

●タカとワシ――タカもワシもタカ科の鳥で、250種以上います。一般的に体が大きいものをワシ、小さいものをタカと呼びます。クマタカのように、体が大きいタカもいます。タカとワシ、どちらの鳥も、基本的にオスよりメスのほうが大きいです。

●フクロウとミミズク――フクロウもミミズクもフクロウ科の鳥で、230種以上います。羽角(耳のように見える飾り羽)がないものをフクロウ、羽角があるものをミミズクと呼びます。ただし、シマフクロウのように羽角があるフクロウや、アオバズクのように羽角のないミミズクもいます。

●コチドリは、ヒナが敵に狙われないよう、おとりになる――地上に巣を作るコチドリの親は、敵が巣に近づくと巣から離れていくよ。もちろんヒナを置いて逃げるわけじゃない。おとりになろうとしてるんだ。親は羽を広げて、傷ついたふりをして敵の目を引き、敵は親を追いかけ始める。そして敵につかまる前に、飛んで逃げるんだよ。この傷ついたふりのことを「偽傷」というんだ。

ごく最近、私はコチドリの偽傷(擬傷)行動を目撃することができました。