榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

スマホ依存が引き起こす「自分病」と、その対処法・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1435)】

【amazon 『スマホが起こす「自分病」って何?』 カスタマーレビュー 2019年3月25日】 情熱的読書人間のないしょ話(1435)

埼玉・吉川~千葉・野田を巡る散歩会に参加し、18km歩きました。芳川神社、延命寺を訪れました。永田公園には、吉川富士と呼ばれる高さ16mの小山があります。江戸川の堤は一面のセイヨウアブラナ(ナノハナ)で黄色く染まっています。ソメイヨシノの満開は、もう少し先になりそうです。今シーズン初めて、ヒバリが上空で囀っているのを見ました。因みに、本日の歩数は31,382でした。

閑話休題、『スマホが起こす「自分病」って何』(和田秀樹著、新講社)では、スマホ依存が引き起こす「自分病」と、その対処法が示されています。

「単純に眺めれば、『歩きスマホ』をする人は、他人や周囲を意識から遮断し、自分の世界に閉じこもってしまった状態ともいえますが、より問題になるのは、そこで閉じこもったかに見える自分はほんとうの自分でなく、スマホでつながる『みんな』に同調する自分、『みんな』から浮き上がることを恐れる自分ということです。そこではリアルな『自分』が消えてしまいます。ラインなどのSNSでつながる世界が自分の世界であって、いまどこかの町を歩いている自分、気持ちいい風に吹かれている自分、電車に乗っているリアルな自分は自分ではないということになります。これらの現実を、わたしは『自分病』といいたいと思います」。

「なぜ、このようなことになるのでしょうか。そこで注目されるのが『スマホ依存』という依存症なのです。精神医学の世界では、それがまずいことだとわかっているのにやめられない状態のことを『強迫』といいます。何時間もスマホに向かい合うためにほかのことができなくなり、そのことで学力が落ちたり、脳のソフトが書き換えられると知りながら止められない。歩きながらでは危ないとわかっているのにやめられない。まさに強迫です。SNSでつながり、すぐに返事をしないと仲間はずれにされる、あるいは冷たい人と思われる関係。気に入らなければすぐに『さよなら』する関係。それが事実とすれば、そういうこちらの都合もわかってくれない相手を『友だち』といえるのでしょうか」。

本書は、スマホ依存の危険性を強調するだけでなく、自分を見失わず、スマホを賢く使いこなすにはどうすればいいのかについても考察しています。

「何かに依存しないためには、その何かを遠ざけるのがいちばんです。ないものに依存はできないのですから、スマホのない時間を作ることが大事になってきます。・・・(例えば)休日の街歩きです。一人でもいいし、だれかと待ち合わせて一緒に行動してもいいのです。とにかく、急の呼び出しも仕事の連絡もない休日なら、スマホを持たずに家を出ても困ることはないはずです」。

「とにかく休日ぐらい、スマホと離れている時間を作ってみてください。電車の窓から見える風景だって、いろいろなことに気がつきます。雑踏の中を歩いても、いろいろな人がいるんだなあと気がつきます」。

「ネット情報はパソコンと割り切ってしまえばいいはずです。タブレット端末でも、スマホよりは大きな画面ですから使いやすいです。ふだん、家でネットにつなぐときはパソコンやタブレットの習慣をつくれば、それだけでスマホから離れる時間が長くなります。でも外出先ではスマホが便利です。ニュース性の高い情報や、自分が関心のある情報をその場でアウトラインだけ確認することができます。とりあえずそれだけ済ませたら、あとは自宅のパソコンでじっくりと情報を集めればいいのです」。