日本の現状に危機感を抱く前川喜平と谷口真由美の本音対談集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1501)】
テッセン、ハナアロエ(ブルビネ・フルテスケンス)、ヒエンソウ(チドリソウ)、ナワシロイチゴ、ヒメウツギ、マユミの花をカメラに収めました。オニグルミが実を付けています。今宵は、三共時代の上司、先輩、後輩と楽しい一時を過ごしました。因みに、本日の歩数は11,563でした。
閑話休題、『ハッキリ言わせていただきます!――黙って見過ごすわけにはいかない日本の問題』(前川喜平・谷口真由美著、集英社)は、前川喜平と谷口真由美の対談集だが、興味深いことが語られています。
谷口が作成した「批判のお作法 5か条」は、このようなものです。「●第1条=批判されてもキレない。●第2条=批判は『事象』『事柄』『発言』などについてすべし。人間性への攻撃はNG。●第3条=批判は『事実』に基づいてすべし。根拠が思い込みや固定観念はNG。●第4条=批判は『愛』が必要。その先に『よりよくなる○○』(○○には社会、会社、学校、地域など)があるべし。うっぷん晴らしはNG。●第5条=批判には『責任』がともなうべし。公益通報などの匿名性は守られなければならないが、安全地帯からの匿名での言いたい放題はNG」。
「●前川=性犯罪者も免罪され、逮捕状も執行されないとかね。あれはひどいと思いますよ。総理の友達で、総理をヨイショする本を書いている人間だからって、犯罪も見逃されちゃうというのはね。●谷口=しかも、レイプですよ。●前川=それを、官邸官僚だった警察官僚が命じたわけですね。中村格という警視庁の刑事部長をやって、もともと菅義偉内閣官房長官の秘書官だった男ですね。それが、レイプ犯を逮捕するなと命令を出した。それだけじゃなくて、検察も起訴しませんでしたからね。・・・検察も警察も教育もみんな政治権力が支配しちゃって、政権が思うようにそれを動かしている。これはとても危険だなと思うんですよね。全体主義に突っ走っている感じがヒシヒシとする」。
「●谷口=最近気になるのが、メディアの人たちや積極的に政治に関わっている市民の方たち。・・・安保法案、共謀罪、選挙、モリカケ問題、大阪都構想、沖縄米軍基地問題、などなど、みんな食い止めるために頑張った。だけど思うようにいかない。結局、安倍一強は継続され、ますますやりたい放題。頑張っても頑張っても結果が出ない、よくならない・・・疲れますよね。なぜ疲れてしまうのか。それは、主権者たる意識は本来社会全体で背負わなきゃいけないのに、批判している人だけが背負って、自分だけ取り残されている感があるからすごくしんどくなるんだと思うんです。・・・●前川=批判に疲れてしまったという話はよく分かります。だけど、疲れない範囲でやるしかないなと思っています。何より、バーンアウトしないようにね。粘り強く、一縷の望みや光をずっと求め続けるような、そういう粘り強さが必要ですよね」。
「●前川=最近、私がお勧めしているのは、広島の若い弁護士・楾大樹さんが書いた『檻の中のライオン』という本。国家権力はライオンで、立憲主義に基づいてつくられる憲法は檻だと。放っておくと暴れ回る国家権力を、ちゃんと檻の中に入れて飼いならすみたいなイメージ。例えば、緊急事態条項というのは、ライオンに檻を内側から開けられる鍵を渡すようなものだという比喩で説明しています。・・・●前川=99条、憲法尊重擁護の義務を一番ちゃんと守っているのは現在の天皇、皇后(現・上皇、上皇后)だと思いますよ。●谷口=2016年のお言葉を読んでも、そうだと思いますよね。一番深く自覚してらっしゃるなって思うんです。あのお言葉は憲法をちゃんと全部読んで、象徴天皇制というものがどういうことかを自分なりに考えましたというものでした」。
粘り強い批判が必要だと痛感しました。