榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

読書が苦手な理科系の学生のための読書術・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1543)】

【amazon 『理科系の読書術』 カスタマーレビュー 2019年7月9日】 情熱的読書人間のないしょ話(1543)

ソケイノウゼン(パンドレア)が淡桃色の花を咲かせています。コモススベイケリの赤い苞と黄色い花のコントラストが目を惹きます。我が家の庭の片隅で、白いキキョウが咲き始めました。キッチンの曇りガラスにニホンヤモリが2匹、やって来ました。因みに、本日の歩数は10,876でした。

閑話休題、『理科系の読書術――インプットからアウトプットまでの28のヒント』(鎌田浩毅著、中公新書)は、読書が苦手な理科系の学生向けに書かれているが、文科系の人間にも参考になります。

著者は、入門書は3冊買えとアドヴァイスしています。「実践していただきたいのは、いかなるテーマでも入門書を3冊買うという原則である。というのは、1冊だけで学ぼうとすると内容に偏りが見られるケースがあるからだ。また、著者の文章が自分の感覚に合わず、その分野に敷居の高さを感じてしまうおそれもあるだろう。せっかく勉強してみようと思い立った気持ちが削がれてしまっては、何にもならない。入門書を3冊当たってみると、同じテーマでも違った切り口で記述していることがわかる。入門書の著者はその分野の専門家だが、それぞれ自分がおもしろいと思った材料で本を書くわけで、その材料は専門家によって異なるからである。3冊読むことでバランスよく概要がつかめるし、1冊くらいは感動する良書に当たる確率も結構高い。紹介された本であれ、自分で探した本であれ、3冊のうち、もっともおもしろそうな本から読み進めよう。もしつまらなかったら、どんどん切り捨ててよい。どんな分野であっても、数を読むにつれて段々と目が肥えてくる。次第にもっと違った切り口の本を読みたくなるようになる。その分野に関する知識も増えてくるので、自分が何を知りたいのかもはっきりしてくる」。具体的には、新書やジュニア向けの新書を薦めています。

レファレンス本(参考図書)の利用も勧めています。「基礎知識を会得する際に、入門書がリストにまとまっていると便利だろう。実際にそうした本も多く出ている。『レファレンス本』という種類の本で、『レファ本』と略して呼ばれることもある。哲学や数学、日本史などのジャンルごとに、それぞれの分野の専門家が薦める本のリストと解説が載っている。こうしたレファ本をガイドに用いるのもよいだろう。・・・私は日垣隆『使えるレファ本150選』をしばらく参考にしていた。この本は辞書、事典、年鑑、白書、教科書などの参考図書を紹介したものだ。言わば『レファ本のレファ本』である。文系と理系を問わず広い範囲からレファ本を取り上げている」。早速、『使えるレファ本150選』を「読むべき本」のリストに加えました。