岸見一郎からの、老年期のあり方に関するメッセージ・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1577)】
アメリカフヨウが薄桃色の花を、フヨウが桃色の花を、オクラが黄色い花を咲かせています。因みに、本日の歩数は10,320でした。
閑話休題、『定年をどう生きるか』(岸見一郎著、SB新書)から私の心に届いたのは、老年期のあり方に関する3つのメッセージです。
「老年は下り坂だとしても、そのことを否定的に捉えることは問題です。これまでの人生のように上り坂を苦労して登らなくてよくなり、これからは自転車のペダルから足を外して坂を下るというふうに考えれば、むしろ老年は楽に生きられるというわけです」。私も、現在の下り坂生活を満喫しています。
「アドラー心理学では、競争は人間の精神的健康をもっとも損ねる要因だと考えています。競争は決して当然のことではないのです」。
「なぜ人からの評価ではなく、ありのままの自分に価値があると考えなければならないのか。アドラーは次のようにいっています。『自分に価値があると思える時にだけ、勇気を持てる』。ここでいう勇気には二つの意味があります。一つは仕事に取り組む勇気、もう一つは対人関係の中に入っていく勇気です。・・・自分のありのままを受け入れ、自分には価値があると思えるために必要なことはもう一つあります。それは貢献感を持つことです。・・・自分が本当に好きなことをしているのかそうでないのか、好きな仕事をして他者に貢献できているのかいないのかでは、日々の生き方が違ってきます」。人の評価を気にしなくなると、本当に人生が楽になることを、私も実感しています。
心に響くエピソードが記されています。「免疫学者の多田富雄は脳梗塞で倒れた時、一命は取り留めたものの声を失い右半分が不随になりました。懸命にリハビリに励んだ多田は妻のことを思いました。『そうだ、もう一人同行してくれるものがいるではないか。さあ生きようと私は思った』」。これぞ、理想的な夫婦関係ですね。