コロナ禍の禍を福とすべく、オンラインを活用して可能性を広げよう・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2214)】
林縁から、突然、コジュケイが飛び立ったが、残念ながら撮影できず。林間をコジャノメ(写真1~4)が飛び交っています。レッドロビン(写真5~7)、シンビジウム(写真8)が咲いています。カラー(写真9)の白い仏炎苞が目を惹きます。
閑話休題、『オンラインで仕事が変わる、組織が変わる、学びが変わる』(香取一昭・大川恒著、日経BP、日本経済新聞出版本部)は、コロナ禍でオンラインに頼らざるを得ない状況の中、禍を福とすべく、オンラインを活用して可能性を広げようと呼びかけています。
「テレワークが進む中、職場の課題が見えてきたという声を様々な人から聞きます。コロナウイルスのおかげで社内の問題点が見え、取り組まなければならないことが明らかになってきたのです。テレワークだと作業に集中できるので仕事が早く終わります。空いた時間に他社で働く友人と久しぶりに会話をすると、自分の会社のマネジメントや人間関係を客観視することもできます。友人の会社の上司の話を聞いていくと、自分の上司のコミュニケ―ション能力や人間性も見えてきます。リアルの会議がなくなり、オンラインでも効率よく会議ができることがわかると、これまでいかに無駄な会議や打ち合わせが多かったかに気づかされます。職場で働くこと自体がどれだけ疲れるのか、その疲れる理由もわかってきました。部下からすると、テレワークには、作業の進め方や時間の配分を自分なりに進めていけるというメリットがあります。無駄な仕事も見えてきます。部下が一人でどんどん仕事を進めていくようになると、管理職の存在自体に疑問を持つ人も増えてきます。こんなに多くの管理職は必要ないのではないか」。
「オンラインを積極的に導入している企業では、オンラインの強みを活用して、既存の組織や文化を壊しながら、企業目的の実現のために様々な取り組みをしています。近年、イノベーションを促進するための環境や仕組みづくりを推進する企業が増えてきました。・・・オンラインのコミュニケーションによって、多くの企業が、コロナ終息後も、イノベーションに挑戦していくことでしょう。営業部門でも新規開拓営業を含めてオンラインで行うことが一般化してきました。一度もリアルで会ったことのない人たちがオンライン上でバーチャルのチームをつくり、協業を進めていくことも行われています」。
オンライン会議、オンライン・ワールド・カフェ、オンラインOSTの進め方、講演会やシンポジウム、研修、大学授業のオンライン化の方法が、事例に基づき具体的に解説されています。なお、ワールド・カフェとは、カフェのようなリラックスできる環境で、メンバーの組み合わせを変えながら、テーマ(問い)に意識を集中し、4~5人という少人数での会話を重ねていくことにより、集合的な気づきが得られる対話の手法です。OST(オープンスペース・テクノロジー)とは、「実行したいアイディア」、「解決したい課題」、「探究したいテーマ」を参加者が提案し、それに賛同する人が集まって話し合うことにより、具体的なプロジェクトを生み出したり、テーマについての理解を深めたりするためのワークショップ手法です。ワールド・カフェでは、主催者が話し合いのテーマを「問い」として提示するのに対し、OSTでは、話し合いのテーマを参加者が提案するところに大きな違いがあります。
一読の価値ある一冊です。