水洗トイレが日本の古代にもあったというのは、本当か・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2225)】
【読書クラブ 本好きですか? 2021年5月17日号】
情熱的読書人間のないしょ話(2225)
イヌコリヤナギの園芸品種・ハクロニシキ(写真1、2)の薄桃色と白色の葉が目を惹きます。スパイラル・ジンジャー(コストゥス・バルバトゥス、コモススベイケリ。黄色いのが花、赤いのは苞。写真3)、ハコネウツギ(写真4、5)、ドクダミ(黄色いのが花、白いのは総苞。写真6)が咲いています。
閑話休題、『水洗トイレは古代にもあった――トイレ考古学入門(新装版)』(黒崎直著、吉川弘文館)には、驚くべきことが書かれています。
1990年、奈良県の平城京(710~784年)跡左京二条二坊で水洗トイレの遺構が発見されたというのです。「平城京跡で『水洗トイレ』が確認され、その具体的な姿が復元されたことは、トイレ考古学に新たな進展をもたらした。・・・(トイレ考古学には)トイレ遺構に対する具体的なイメージが不可欠だから、道路側溝の水を宅地内に引き込み、そこで用を足し、再び側溝に流し出すという平城宮跡の水洗式トイレ遺構が発信したイメージは、まさに貴重である」。
1993年には、奈良県の藤原京(694~710年)跡右京九条四坊でも水洗トイレの遺構が発見されました。「平城京跡の例と同じく、宅地の西端に設けられたこの弧状の溝に板を渡し、それに跨がって排泄されたウンチは、再び流水にのって下流側の道路側溝へと排出されていったのだ」。
その後、京都府の長岡京(784~794年)跡、平安京(794年~)跡でも、水洗トイレの遺構が発見されています。