榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

オードリー・ヘプバーンの魅力が全篇に溢れるロマンティック・コメディ『昼下りの情事』・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2252)】

【読書クラブ 本好きですか? 2021年6月12日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2252)

アガパンサス(写真1、2)、ガウラ(ヤマモモソウ、ハクチョウソウ。写真3、4)、メドーセージ(サルビア・ガラニチカ。写真5)、アジサイ(写真6~8)が咲いています。

閑話休題、ロマンティック・コメディの傑作『昼下りの情事』(DVD『昼下りの情事』<ビリー・ワイルダー監督、オードリー・ヘプバーン、ゲイリー・クーパー、モーリス・シュヴァリエ出演、20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン>)は、何度見ても楽しめます。

その魅力は、3つにまとめることができます。

第1は、父親ほど年が違うアメリカの大富豪・フラナガンに恋してしまったパリ娘・アリアンヌが、名うてのプレイ・ボーイである相手に合わせようと背伸びして、ボーイフレンドが世界中に19人もいると見栄を張るところなど、アリアンヌを演じるオードリー・ヘプバーンの魅力が全篇に溢れていること。ヘプバーンの映画は全て見ているが、この映画の彼女が一番魅力的だと思うのは、私だけでしょうか。また、多くの女性を手玉に取る遊び人のフラナガンを演じるゲイリー・クーパーが、徐々に小娘に惹かれていく変わり様も見所です。そして、娘が夢中になっている相手がフラナガンと知った時の、私立探偵・シャヴァスを演じるモーリス・シュヴァリエの味のある演技も見逃せません。

第2は、ロマンティック・コメディとして、ストーリーが練り上げられていること。見終わった後、誰もが幸福感に包まれることでしょう。

第3は、フラナガンご用達の4人の楽団が演奏する「魅惑のワルツ」が、とびきりの効果を上げていること。いつまでも、メロディが耳から離れず、思わず口ずさんでしまいます。