榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

風情のある路地が満載の写真集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2378)】

【読書クラブ 本好きですか? 2021年10月21日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2378)

あちこちで、キク(写真1~6)が咲き始めています。オシロイバナ(写真7~11)も頑張っています。

閑話休題、写真集『日本の路地』(パイ インターナショナル編著、パイ インターナショナル)のおかげで、路地の魅力を再認識することができました。

「町なかの昔からある狭い道・路地を眺めると、その町で暮らす人々の息遣いが聞こえてくるようです。本書は、地域の暮らし・歴史・文化に深く根ざした、日本全国の旅情をかき立てる美しい路地の情景を100箇所以上掲載しています。この道の先にはどんな景色が広がっているのだろう? そんなことを考えながら、頁をめくってひと時の誌上旅行をお楽しみください」。

とりわけ心惹かれたのは、これらの路地です。

●島根県松江市美保関町・青石畳通り。「美保神社から仏谷寺まで続く石畳の参拝道。石畳の石は近くの海岸から切り出されたもので、雨に濡れると青く見えることから名付けられた」。

●京都府京都市東山区・石塀小路。「明治末期から大正時代にかけて形成された京情緒にあふれた路地。向こうには高台寺公園の桜が望め、小路は朝の光を受けて輝く」。

●京都府京都市東山区・祇園。「碁盤の目に敷かれた大路に対して、より土地を有効利用しようと住民が設えたのが小路。京都の古い町並みにはその名残がたくさん残されている」。

●京都府京都市東山区・東山花灯路。

●岐阜県郡上市八幡町常盤町・いがわ小径。

●岐阜県高山市上三之町。

●石川県金沢市・主計町茶屋街。「金沢三茶屋街でも明治時代になって形成された、浅野川沿いに小規模に存在する場所。夜の帳が降りてからは更に風情を増す」。

●長野県木曽郡木曽町・木曽ふくしま雪灯りの散歩路。

●長野県下高井郡山ノ内町・湯田中渋温泉郷、渋温泉街。「『鄙びた』という言葉がぴったりの古きよき温泉街。温泉まんじゅう屋、射的屋、履物屋が立ち並ぶ石畳の路地はしみじみと味わい深い」。

●長野県木曽郡南木曽町・妻籠宿。「江戸と京都を結ぶ中山道の宿場、妻籠宿。現代においても江戸の情緒を色濃く残し、タイムスリップをしたような感覚になる」。

●長野県塩尻市・奈良井宿。「江戸時代の五街道のひとつで江戸と京を結んだ中山道。奈良井宿では宿場時代の町並みが当時のまま保存され、往時の様子を今に伝える」。

●東京都新宿区・熱海湯階段。「かつて花街として栄え、料亭が存在した神楽坂。お座敷前の芸者たちが通った熱海湯に続く石階段は別名『芸者小道』とも呼ばれる」。