榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

香川照之の熱い昆虫愛と蘊蓄が詰まったキリギリス、セミ、カマキリの図鑑・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2380)】

【読書クラブ 本好きですか? 2021年10月23日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2380)

我が家の庭の餌台に、入れ替わり立ち替わりやって来るシジュウカラ(写真1~12)を見ていると、時間が経つのを忘れてしまいます。ヒヨドリ(写真13)もやって来ました。

閑話休題、『NHK「香川照之の昆虫すごいぜ!」図鑑(vol.3)――人間よ、昆虫から学べ!」(カマキリ先生・NHK「昆虫すごいぜ!」制作班著、NHK出版)には、昆虫大好き人間・香川照之の熱い昆虫愛が溢れ、蘊蓄が詰まっています。

例えば、「キリギリス 音を出すしくみがすごいぜ!」では、どうして音を出すことができるのか? 複雑な音をどうやって出すの?――が、子供にも分かり易く説明されています。

香川にとって思い入れがあるキリギリスは、私にとっても思い出深い昆虫です。私の子供の頃、昭和20~30年代の東京では、夏になると、あちこちで、籠に入れたキリギリス(ヒガシキリギリス)が売られていました。キリギリスの特徴ある鳴き声は、夏の到来を告げる風物詩でした。また、企業に勤め、滋賀県・野洲にある自社工場を仕事で訪れた際、工場の敷地内の叢で多数のキリギリス(ニシキリギリス)が盛んに鳴いているのに出くわし、懸命に捕獲を試みたが、失敗に終わったことがあるからです。

「カマキリ 交尾がすごいぜ!」では、なぜオスはメスを食べることがあるの? オスがメスに食べられる割合はどれくらい?――という興味深い設問が目を惹きます。2番目の質問に対する答えは、こうなっています。「番組の実験では、交尾のときにメスに食べられてしまったオスは50匹中1匹で、食べられる割合は2%でした。自然の中では13~28%という研究報告もあります。とはいえ、オスが食べられることは、それほどしょっちゅう起こるわけではないと考えられますね」。

外国から入ってきた外来種のカマキリ、ムネアカハラビロカマキリについても言及されています。