榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

ハーバード首席卒業・ジュリアード首席修了の廣津留すみれの学習法とは・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2566)】

【読書クラブ 本好きですか? 2022年4月27日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2566)

さまざまな色合いのボタンが咲き競っています。

閑話休題、『ハーバード・ジュリアードを首席卒業した私の「超・独学術」』(廣津留すみれ著、KADOKAWA)」では、日本の地方の公立高校からハーバード大学に入学し、4年後に同大学を首席で卒業し、ジュリアード音楽院の修士課程に進み、こちらも首席で修了した著者が、自らの学習法を率直に語っています。

●したいこと・すべきことができる「時間管理術」
「タスクを『したいこと・そのために必要なこと』に絞り込めば、熱意が追い風になって、時間を濃く使えます」。
「期限までの時間がどれだけあるにせよ、まず『マイ締め切り』を設定するのがハーバード流です」。
「語学や資格、専門分野の勉強など、極めたいことがあれば、1日の中に少なくとも1時間のブロックを作って、その時間だけは専念するのがおすすめです。自分の中に『クセ付け』をして、その勉強を毎日しないとなんだか気が済まない、というレベルに達すれば万全です」。
「『5分空いた時間ができたら何をする』『30分できたら?』『1時間できたら?』など、すきま時間の長さごとの『セット』をあらかじめ決めておくのはとてもおすすめです」。

●深く濃く学ぶための「集中術」
「とくに、『メリットの小さいこと』は即刻捨てるべきです」。
「自分は何がしたいのか、したくないのか。その原点に、こまめに立ち返ることが大切です」。
「やはり、明確な目標は集中力に欠かせないものです」。
「何かを始めるとき、視界に入る範囲だけでも軽く片づける。単純ですが即効性の高い集中術です」。

●前に進む、辛くても粘る!「モチベーション管理術」
「何をどうすればゴールにたどり着けるか、できるだけ正確に頭に描きます」。
「異質なものと触れ合ってこそ刺激を受け合い、さらに良いものが生まれるのだと思います」。
「起こった出来事を、まるで他人に起こったことであるかのように見るのです。人からその話を聞いているようなイメージを描いたり、映画の画面を見ているような感覚でとらえたり。いずれにせよ、そこで嫌な目にあっている人物を『私ではない』状態にして、第三者的に見るのです。ダメージを受けているときほど、この『第三者スイッチ』は効きます。感情がリセットされて、客観的に見られるからです」。

●忘れない・身につく「インプット法」
「何を覚えるにしても、目だけでなく、同時に耳からもインプットするほうが記憶に強く残るのは確かです」。
「日中にわからなかった部分、間違った問題、覚えられない単語の類をメモにとっておき、夜に見直すのです」。

●人を動かす「アウトプット法」
「30秒程度で効果的・印象的にアピールポイントを述べることを『エレベーターピッチ』といいます。たとえばあるベンチャーの経営者が、エレベーターで有名な投資家と乗り合わせたとします。目的階に着くまで30秒。さあ、自分と自社の魅力と可能性をどう伝えるか?――という訓練を受けたのはジュリアードでのこと」。
「最初に結論、その具体例や詳細を語る中身、最後に再び結論」。

24時間をどう使えば自分の望みを叶えられるか。①無駄を切り捨てる、②時間を濃く使う、③与えられた時間の中で努力する――の3点が必須だというのです。著者には抜群の実績があるだけに、説得力がありますね。