ジェフ・ベゾスの最重要の5つのポイント+4つのポイント・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2582)】
ニホンカナヘビ(写真1)がいるわよと、草取りをしていた庭師(女房)が駆け込んできました。その近くではキタキチョウ(写真2)が吸蜜しています。網戸にはガのタケノホソクロバ(写真3)が。片隅では、小さなバラ(写真4)、ボンザ・マーガレット(写真5)が咲き始めました。庭師が殺虫剤も除草剤も使用しない主義なので、我が家の庭は生物たちの楽園です。
閑話休題、『Invent & Wander――ジェフ・ベゾスCollected Writings』(ジェフ・ベゾス著、関美和訳、ダイヤモンド社)は、史上初めて、ジェフ・ベゾスの生の言葉で書かれて本です。アマゾン上場以来、毎年、ベゾスが株主に向けて書いてきた手紙と、ベゾス自身がインタヴュー、講演などで語った言葉で構成されています。
ウォルター・アイザックソンの序文が、ベゾスの「最重要の5つのポイント」を挙げています――①「長期」に目を向ける、②しつこく情熱的に「顧客」に集中する、③「パワポとスライド」のプレゼンを避ける、④「大きな判断」に集中する、⑤「適材」を採用する。
私は、アイザックソンが挙げた5つのポイントに、4つのポイントを加えたいと考えます――●最大の競争相手は自分、●自分の限界を知る、●根っこにある原因を見つける、●80歳になったときに振り返って後悔の数が少ないほうを選ぶ。
「自分の限界を知る」は、少し説明が必要かもしれませんね。「人生を変えたプリンストン大学での出来事――私は理論物理学者になりたかったので、プリンストン大学に行った。成績はとてもよく、ほとんどの課目でA+をもらった。・・・3年生のころに量子力学を専攻しはじめ、同時にコンピュータサイエンスと電気工学の授業も取り、そちらも楽しんでいた。ただ、偏微分方程式のある難問がどうしても解けずに困っていた。・・・ヨサンタはプリンストン大学でいちばん頭のいい学生だった。ヨサンタはスリランカ人だ。・・・ヨサンタにその難問を見せると、しばらくじっと見つめてから『コイサン』と言った。わけがわからず『どういうこと?』と聞くと、『それが答えだ』と言う。『え、それだけ?』と聞くと、『ああ、説明するよ』とヨサンタは言って、私たちを座らせた。それから3ページにわたって詳細に代数を書き連ねた。すべてが相殺され、残った答えはコサインだった。・・・私にとって、それは人生が変わった瞬間だった。そのとき、自分は偉大な理論物理学者にはなれないと気づき、それから自分探しがはじまったからだ。たいていの職業なら上位1割以内に入っていれば、何らかの役に立てる。でも、理論物理学では、世界でトップの50人に入っていなければ、何の貢献もできない。それははっきりしていた。この世界で先がないと思った私はすぐに専攻を変え、電気工学とコンピュータサイエンスを勉強することにした」。