子供時代を懐かしむ東海林さだおのエッセイ集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2777)】
ハシボソガラス(写真1)、ダイサギ(写真2)をカメラに収めました。
閑話休題、『ショージ君のALWAYS――東海林さだおが昭和を懐かしむ』(東海林さだお著、集英社インターナショナル)は、私より8歳上の東海林さだおの、子供時代を懐かしむエッセイ集です。もちろん、東海林特有の絵が添えられています。
●チョコパン
「その昔、チョコパンとクリームパンは、その他の菓子パンとは別という観があった。アンパンやジャムパンより、チョコ、クリームのほうがずっと偉かったのである。だから扱いも丁重だった。チョコパンの場合は、まず入り口のところのセロハンのフタをはずし、これに付着したチョコを舐めとるのがオープニングセレモニーであった。そして必ず尻っぽのほうから食べる、というのが子供たちの暗黙の了解事項だった」。全く、そのとおりだった!
●昔の御不浄の貯水式手洗い器
この手洗い器は、一番下の部分を押すと水が出る仕掛けだが、こういった物をたくさん見ることができる「東京都大田区南久が原に『昭和のくらし博物館』というものがあるという」。この博物館は現在も見学できることが分かったので、近いうちに訪れようと考えています。
●雀ばったん
「▶冬は雀も遊びの対象になったね。▶ホラ、カゴとかフルイというのがどこの家にもあってね。それにヒモをつけたつっかい棒をあてがって中に米をまいて雀が寄ってくるのを待つ。▶気長に待つ。▶なかなか寄ってこないんだよね、これが(笑)。ようやく寄ってきて中へ一羽入ってくる。▶ものすごくドキドキするんだよね。いまか。いや待て。もう少し中へ入ってから。よしっ、いまっ。▶ヒモをパッと引くとカゴが閉じる前に雀が逃げる。▶必ず逃げる(笑)、▶ぼくねえ、あれで雀を捕りましたっていう人の話、聞いたことがないよ」。この雀ばったんは私もしばしば仕掛けたが、成功したことがありません(笑)。
●コタツ
「その昔、ニッポンの冬の暖房はコタツ、これ一つであった。ニッポンの夏は金鳥の蚊取り線香が代表しているが、ニッポンの冬はコタツが代表していたのである。単なる代表ではない、大代表と言ってもいいくらいの代表だった」。我が家では、現在も、コタツが代表を務めています。エアコンが副代表として控えていますが(笑)。