榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

イギリスの食文化を知るのに最適な一冊・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2873)】

【読書クラブ 本好きですか? 2023年2月17日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2873)

タマシギの雄がアシ(ヨシ)原に長時間、潜んでいます(写真1、2)。2時間半、粘った甲斐があり、餌を捕食するタマシギの雄(写真3~9)を撮影することができました。アカハラ(写真10、11)、モズの雄(写真12)をカメラに収めました。散歩中のアフガン・ハウンドの雄(7歳、ラッキー。写真13)と雌(4歳、ハッピー。写真14)に出会いました。太公望たちが鈴生りです(写真15)。大岡越前守忠相の大岡裁きに登場する「しばられ地蔵」を見学しました(写真16、17)。因みに、本日の歩数は12,829でした。

閑話休題、『食文化からイギリスを知るための55章』(石原孝哉・市川仁・宇野毅編著、明石書店)は、イギリスの食文化を知るのに最適な一冊です。

「様々な背景や逸話を含めてイギリスの食を紹介してはどうか、文章で表現できない味や匂いの区別の代わりに有名作家の食にまつわる逸話を紹介したらどうか、生活に最も密着する食を詳察することによって社会・文化の知られざる側面を紹介したらどうか、そうすれば必然的に幅の広い食文化の集大成になるはず」という明確な目的を持って、本書は編集されています。

例えば、「飲み物の文化史」の篇は、●イギリス伝統のビールであるエールの話、●ウィリアム・ホガースの絵画に描かれたジン横丁の退廃、●禁酒法の時代と現在のアルコール推奨摂取量、●イギリスを代表するアルコール飲料・ビターとドイツ発祥のラガーとのビールを巡る英・独のせめぎ合い――と、呑兵衛には興味深い話が満載です。

「文学に見る料理」の篇は、●ウィリアム・シェイクスピアに見る料理(マジパン、肉のロースト、砂糖)、●詩人ジョン・ドライデンとコーヒーハウス(紳士の社交場)、●ジェイン・オースティンと料理(作家の食生活が料理本に)、●児童文学に見る料理(物語世界に現実味を添える「イギリスらしさ」)、●ヘンリー・フィールディングとロースト・ビーフ(愛国者の味)、●ジョージ・オーウェルと紅茶(あのポレミック<論争好き>な作家がもらした紅茶講話)、●ジョージ・エリオット文学と料理の心(人生のユーモアと悲哀に溢れるお菓子屋さん)――と、文学好きには堪らない内容のオン・パレードです。

本書のおかげで、イギリス料理を見直すきっかけが得られました。