榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

君は、ロシア革命で活躍した女性たちがいたことを知っているか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2906)】

【読書クラブ 本好きですか? 2023年4月1日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2906)

濃い霧よ、という女房の声で、がばと飛び起きました。

閑話休題、『女たちのレボリューション――ロシア革命1905~1917』(ジュディ・コックス著、北村京子訳、作品社)のおかげで、ロシア革命で活躍した女性たちがいたことを知りました。「学術、芸術、政治などさまざまな分野において過去に女性たちが果たしてきた役割を再発見し、正当に評価しようという動きは近年、急速に進みつつある。1905~1917年にかけて起こったロシア革命の背後にいた女性たちに焦点を当てる本書もまた、そうした試みのひとつだ」。

●ナデジダ・クルプスカヤ(1869~1939年)
「ナデジダ・クルプスカヤは、単なるレーニンの忠実な妻で、彼を手助けした人物に過ぎないと描写されることが多い。・・・実際のクルプスカヤは、レーニンと出会う前から熱心な革命社会主義者であった。・・・(革命後の)クルプスカヤは、ソヴィエトによる、ロシア人労働者の心の解放を目指す運動の中心人物だった。まったく新しい教育制度が構築され、そこでは伝統的な教育は排除され、自発的な行動、集団主義、選択を重視し、また生徒たちのそれまでの経験、知識、現実世界とのかかわりを利用した、新しく革新的な技術が採り入れられた。これは非常に大きな成果だった。クルプスカヤは、あらゆる女性ボリシェヴィキの中で最も軽んじられ、過小評価されている人物だ。・・・クルプスカヤは、自立した革命家として認識されるに値する人物だ」。

●アレクサンドラ・コロンタイ(1872~1952年)
「アレクサンドラ・コロンタイは、女性ボリシェヴィキの中でも最もよく知られる人物だ。歴史家たちは得てして、彼女の肉体的な魅力、型破りな恋愛関係、性的自由についての持論ばかりを強調する傾向にある。しかし、コロンタイは革命のリーダーであり、ロシアだけでなく、ドイツ、ベルギー、フランス、イギリス、北欧、アメリカでも活躍した活動家・演説家であった。イネッサ・アルマンドと同様、彼女は数カ国後に堪能だった。コロンタイは、ボリシェヴィキ党の中でもとりわけ精力的に活動していた。彼女は勇気と堅い決意を持って党を形作り、そこで労働者階級の女性たちが重視されるよう促し、女性解放の理論と実践を発展させた。・・・レーニンとの深刻な意見の相違があったにもかかわらず、コロンタイは1914年8月、そして1917年4月と10月の重要な時期に、彼とともにいた。もし男性であったなら、コロンタイはその経験、能力、カリスマ、膨大な著作によって、革命の偉大な指導者たちのひとりに数えられたに違いない」。

●ラリサ・ライスナー(1895~1926年)
「ライサ・ライスナーは、1917年の英雄的理想主義を象徴する存在となった。コロンタイやクルプスカヤよりも一世代若い彼女は、詩人であり、革命家であり、闘士であった。1918年には多くの若い女性が、白軍から革命を守るためにボリシェヴィキ党に加わっており、彼女もそのひとりだった。ライスナーは後に軍事指導者となり、その経験を散文や詩に綴り、高い評価を受けていた。・・・ライスナーは1926年、発疹チフスのためにわずか30歳でこの世を去った。今日では、革命に生きたこの女性作家を称賛した男性たちが書いた言葉のほうが、彼女自身が書いた言葉よりもはるかに見つけやすいというのは、悲しい皮肉だ。ライスナーは、女性が直面していた具体的な闘いについて書くことはほとんどなかった」。