榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

ロシアのウクライナ侵攻、旧統一教会に対する佐藤優の考え方に驚いた・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3027)】

【読書クラブ 本好きですか? 2023年8月1日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3027)

ミンミンゼミの雄(写真1、2)、アブラゼミ(写真3)、ヒグラシの雄(写真4)、ニイニイゼミ(写真5)、ニイニイゼミの抜け殻(写真6)、コノシメトンボ(写真7)、花粉に塗れたクマバチ(キムネクマバチ。写真14)をカメラに収めました。なお、ヒグラシの腹部左側上方にセミヤドリガの幼虫2匹が寄生しています(写真4)。フヨウ(写真8~14)が咲いています。

閑話休題、『教養としての「病」』(佐藤優・片岡浩史著、インターナショナル新書)で、びっくりしたのは、●佐藤優が週3回の血液透析を受けていること、前立腺を全摘出するがん手術を受けたこと、冠動脈狭窄に対するステント(金属の網製の管)施術を受けたこと、●ロシアのウクライナ侵攻に対する佐藤の考え方、●旧統一教会に対する佐藤の考え方――の3つです。

●佐藤の疾病
前立腺全摘手術、ステント留置はそれほど意外ではないが、週3回、4時間ずつの血液透析には、びっくりしました。

●ロシアのウクライナ侵攻
「この戦争について、私は日本の論壇の主流派と異なる立場をとっている。・・・当初、ウクライナのドネツク州とルハンスク州に居住する、ロシア語を常用し、正教を信じ、ロシア文化の文脈で生活する人々の処遇をめぐるロシアとウクライナの係争が争点だった。しかし、戦争が始まって1ヵ月も経たないうちに戦争の性格がロシアvs.西側連合(その中に日本も含まれる)の価値観戦争になってしまった。西側連合からすれば、民主主義vs.独裁の戦いで、ロシアからすれば真実のキリスト教(正教)vs.悪魔崇拝(サタニズム)の戦いだ。このような価値観戦争は、一方が他方を殲滅しない限り終わらない。ロシアのウクライナ侵略は現行の国際法秩序を破壊する行為だ。他方、このような状況をもたらしたウクライナ民族至上主義も政治的病理だ。今必要とされるのは、停戦でこれ以上、人が殺されないようにすることだと私は考える」。ロシア寄りの佐藤の意見に、私は断固反対です。

●旧統一教会
「旧統一教会の違法行為や違法ではなくとも社会通念から著しく逸脱する行為については、厳しく批判されるべきだ。旧統一教会のメンバーや組織も、具体的な行為に基づいて、応分の責任を取らなくてはならない。しかし、旧統一教会の信仰内容を侮蔑、揶揄するような政治家や評論家の発言、マスメディアの論調に、私は強い危機感を覚えている。・・・私は法律でマインドコントロール規制をすることに反対している。・・・ある意味、(私を含め)キリスト教徒は全員がマインドコントロールされた人々ということになる。信仰内容や教義には、いかなる理由があっても公権力(司法、立法、行政)は介入すべきでないと私は考えている。このような主張も現下の日本論壇では少数派だ」。佐藤がプロテスタントのキリスト教を信じることに文句はないが、旧統一教会の弊害がことここまで至っては、法律によるマインドコントロール規制も已むを得ないと、私は考えています。