動物たちのすごい巣が満載の一冊・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3053)】
ノハラアザミ(写真1)、サンタンカ(写真2)、セイヨウスイレン(写真3)が咲いています。
閑話休題、『生きものがつくる美しい家――動物たちのすごい巣121』(鈴木まもる文・絵、エクスナレッジ)は、動物たちのすごい巣が満載です。
●イノシシがつくるドーム形の巣
「イノシシは、大型の哺乳類としては珍しく巣をつくります。ススキなどの草をかみ切って積み上げ、ドーム形の巣をつくるのです」。
●カヤネズミが草の茎につくる球形の巣
「カヤネズミがつくる球形の巣には子育て用と、休息・一時避難用の2種類があります」。
●ヤマネのレタスのような形の巣
「日本の森にすむヤマネは木や岩の上、樹洞などに枯れ葉を集め、レタスのような形の巣をつくります」。かなり以前のことだが、山梨県の西沢渓谷沿いの山林道でヤマネに出くわして以来、私はヤマネのファンになってしまいました。
●巣穴を掘るウサギ、掘らないウサギ
「(日本の)ノウサギの赤ちゃんは産まれたときに毛が生えていてすぐに動けるので、草むらのくぼ地などで出産します。一方、(ヨーロッパの)アナウサギの赤ちゃんは毛が生えていない裸の状態で産まれ目も見えないので、巣穴で出産し育てなければならないのです」。
●オトシブミの食べ物に包まれた巣
「オトシブミのなかまは、樹木の葉を巻いてその中に卵を産みます。葉を巻いてできた巣は『ゆりかご』と呼ばれ、卵からかえった幼虫は『ゆりかご』の中でまもられながら、自分の周囲の葉を食べて育ちます。やがて、さなぎになり羽化すると、『ゆりかご』に穴を開け外に出てきます」。オトシブミなどは葉の主脈を切り「ゆりかご」を地面に落とすが、エゴツルクビオトシブミなどは「ゆりかご」を落とさずに、ぶら下げます。
●アシナガバチの和紙でできているような巣
「アシナガバチのなかまは、枝や葉の表面の毛や皮など繊維質の部分を集め、口の中でだ液と混ぜて吐き出し、固めていきます。和紙のような素材の、軽くて丈夫な巣をつくります」。