王朝時代の皇子たちは幸福な生涯を送ったのか否か・・・【情熱的読書人間のないしょ話(5149)】
【月に3冊以上は本を良く読書好きが集う会 2023年11月30日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3149)
チユウキンレン(写真1、2)が咲いています。パパイア(写真3)、ハッサク(写真4、5)、ユズ(写真6、7)、トキワサンザシ(写真8、9)が実を付けています。マテバシイ(写真10、11)の実が落下しています。
閑話休題、『源氏物語を楽しむための王朝貴族入門』(繁田信一著、吉川弘文館・歴史文化ライブラリー)のおかげで、『源氏物語』の時代、すなわち平安時代中期の天皇・上皇・皇子・皇女・貴族たちの現実について理解を深めることができました。
天皇は幸福だったのか? 「王朝時代においては、天皇として生きるというのは、あまり幸福なことではなかったのかもしれない」。
上皇は幸福だったのか? 「上皇は幸福だった」。
皇子は幸福だったのか? 「上級貴族ほどの贅沢ができない皇子たち」。「王朝時代の天皇たちや皇子たちが短命であったのは、間違いなく、皇子として生まれたがゆえのことであったろう」。
皇女は幸福だったのか? 「中級貴族ほどの贅沢もできない皇女たち」。「王朝時代の皇女たちが軽い扱いを受けたのは、まず何より、彼女たちの存在が、公的なものではなかったためであろう。つまり、王朝時代において、天皇になることもなく、官職に就くこともなかった彼女たちは、ほとんど公人として扱われることがなかったために、社会的に有用な人的資源として見做されることが少なく、それゆえに、社会的に厚遇されなかった、ということである」。
「伊勢斎宮の寂しい暮らし」。