北朝天皇とは誰々か、北朝は室町幕府の傀儡だったのか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3175)】
【読書クラブ 本好きですか? 2023年12月26日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3175)
アオサギの成鳥(写真1)、アオサギの幼鳥(写真2~5)、ダイサギ(写真6)、カルガモ(写真7)、キジバト(写真8)、ジョウビタキの雌(写真9)、ヒトリガ亜科の一種の幼虫(写真10)をカメラに収めました。ツバキ(写真11)が咲いています。16:30の月(写真14、15)は白っぽく見えました。
閑話休題、論文集『北朝天皇研究の最前線』(遠藤珠紀・水野智之編、日本史史料研究会監修、山川出版社)は、正直言って、北朝の研究というかなり地味な本です。「北朝天皇の存在を知ることは、現代の天皇家へと続く皇統の歴史を知るのみならず、歴代の武家政権(鎌倉幕府・室町幕府など)の志向とともに、国家権力とその制度を形成・維持するうえで、天皇の果たす重要な役割を解明することにつながるのではないかと思われる」。
個人的に勉強になったのは、●北朝天皇とは、鎌倉時代末(14世紀)の光厳天皇から、光明天皇、崇光天皇、後光厳天皇、後円融天皇、後小松天皇、称光天皇を経て、「応仁・文明の乱」(1467~77年)の始まりを生きた御花園天皇までの8名を指す、●北朝は室町幕府の「傀儡政権」だったのか? ●なぜ後世になって、南朝と北朝のどちらが正統かという王統問題(正閏論)が再燃するのか?――の3つです。
こういう地味な研究をこつこつと続けている学者たちがいることに、感銘を覚えました。