本書のおかげで、中国の政権と国民は分けて考えなければいけないと再認識することができました・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3188)】
昨日、撮影に失敗して涙を呑んだ場所で、風に煽られながらも再挑戦の甲斐があり、アメリカコガモの雄(写真1の右端、写真2の奥、写真3)を撮影することができました。写真2の手前のコガモの雄と比べると、アメリカコガモの雄の特徴である側胸の白帯が確認できます。撮影できたのは、同じく再挑戦で訪れていた野鳥観察仲間のTさんの強力なサポートの賜物と大感謝! ゴイサギの幼鳥(ホシゴイと呼ばれる。写真4)、ダイサギ(写真5)、アオサギ(写真6)、ヒヨドリ(写真7)、カケス(写真8)をカメラに収めました。カキ(写真9、10)が実を付けています。アシ(ヨシ)沼には氷が張っています(写真11)。因みに、本日の歩数は15,616でした。
閑話休題、『囲碁の知恵を日中交流に生かそう――中国の若者たちが日本語で描いた未来ビジョン 第19回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集』(段躍中編、日本僑報社)は、中国の若者たちの日本語作文コンクール受賞作品集です。
どの作品も読み応えがあるが、とりわけ印象に残ったのは、●四川外国語大学・王珊珊、●寧波工程学院・金思佳、●北京科技大学・劉星雨、●南京農業大学・黄紫琴、●浙江師範大学・赫晨陽、●西安電子科技大学・高鵬、●大連工業大学・楊洪冰――の7つです。
●王珊珊
「中日両国は学び合い手を握って歴史の道を歩んできたのだ。しかしある日、大喧嘩して仲間割れしてしまった。時間が経つにつれ、再び交流し合うようになったが、わだかまりが祟って、昔の仲の良かった時のような関係に戻れない。そのため、これからすべきことは、先ずはわだかまりを捨てることだろう。酷いコメント欄を見て、若者としての私たち『新芽』は、その現象を変えたいと思っている。『わだかまりを捨てる』という考えを中国の人にも、日本の人にも伝えたいと思っている。・・・『中国には、このような国際的な交流意識を持つ青年がいてほしい』『日本のいい文化を持ち帰ると同時に、中国の良さもきちんと伝えてね』。このようなコメントを見て、心の底から潤いが生まれてきた。まるで国のために戦う兵士のような勇ましい心地になった」。
●金思佳
「張さんがそれまで見ていた桜は動かない桜でした。美しく咲いてすぐに散ってしまうことを、張さんは知りませんでした。そして、張さんは自分の目で桜を見て、雪のように散るさま、動くさまが彼の心を深く打ったそうです。私はいつの間にか、真剣に張さんの話に耳を傾けていました。・・・(私も)いつか日本の動く桜を見られるかもしれません。桜は見えない糸のように中国と日本の関係を引き上げていると私は思います」。
●劉星雨
「『えっ、日本人は王維の漢詩を勉強しているんですか?』。『そうですよ。日本人の生徒たちは中国の漢詩をいろいろ勉強しているんです。李白とか杜甫とか』。彰子さんに話を聞くと、日本では漢詩だけでなく、中学や高校で『蛇足』や『四面楚歌』といった中国の故事成語を習ったり、ゲームや漫画で『三国志』や『春秋戦国時代』に興味を持つ人も多いことが分かりました。私は日本人が中国の歴史や文化を知っていることを知り嬉しくなりました。・・・中国には『海内存知己 天涯若比隣』という有名な漢詩があります。『心の知れた友がいれば、世界のどこにいても近く感じる』という意味です。私は日中両国の人々がそのような関係になれることを心から願っています」。
●黄紫琴
「幸いなことに、(日本人たちの)速やかな救助と治療のおかげで、(訪日中の)母子共に無事でしたが、もし雨の中、何時間も通路に倒れていたらと考えるとぞっとします。次の日、夫婦は、帰国しなければならなかったので、助けてくれた人々にちゃんとお礼を言う機会もありませんでした。しかし、20年経った今でも、その夫婦はずっとその時の人々に感謝していて、日中の友好を願ってやまないそうです。これは、子供の頃、母がしてくれた話です。実は、この物語の主人公の夫婦は私の両親です。それから、その時、母のお腹に宿っていた子は私です。・・・これからも、ちっぽけながら両国の交流に全力を捧げたいと思っています。その小さな積み重ねによって日中友好の輪が広がっていくのを願っています」。
●赫晨陽
「ここ数年、日本語が中国大学入試の外国語科目に組み込まれたため、これまでにまして多くの学生が日本語を勉強するようになった。私は受験生に限らずその他の学生も、社会人も、ぜひ日本に興味があるのなら日本語を勉強してみてほしいと思う。特にポストコロナの今、オンラインの語学授業は急速に発展し、コロナ前よりずっと気軽に日本語を学べるようになった。・・・日本語を学べば、日本の良いところを知ることになり、それは日中の友好へ繋がっているといえる。お互いのことをより理解すれば、私たちの関係はより良くなる。日中の友好が、今後もますます発展することを祈っている」。
●高鵬
「日中国交樹立から53年、コロナ感染拡大が落ち着いてきた今だからこそ、両国の若者は新型の友好国家関係を構築するために奮闘し、国家間の発展協力のために自らの力を捧げるべきだと考えています。両国の青年が積極的に交流し、共に素晴らしい未来を築くために、一緒に『橋』を作りませんか」。
●楊洪冰
「調査の結果によると、最近、(中日)両国でお互いに最も好印象を持っている人の多くは若者であることが分かります。それは両国の文化にそれぞれの特徴があり、お互いの若者を惹きつけているからです。・・・『好きこそものの上手なれ』ということわざがありますので、若い人たちのこの熱意が日中交流に注がれれば、中日両国には将来明るい未来があると私は信じています」。
本書のおかげで、中国の強権的な政権と国民は分けて考えなければいけないと再認識することができました。そして、若い世代の努力によって日中の関係改善が期待できるという希望の灯が見えてきました。