これぞ、私が読まなければいけない小説だ・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3210)】
ルリビタキの雄の若鳥と思われる個体(写真1)をカメラに収めました。オタフクナンテン(写真2)、クラッスラ(写真3)が紅葉しています。オウバイ(写真4、5)が咲いています。ジンチョウゲ(写真6、7)が蕾を付けています。我が家の庭の餌台「空中楽園」で、メジロ(写真8、9)がキウイフルーツを食べています。「カラの斜塔」では、シジュウカラ(写真10、11)、スズメ(写真12、13)が落花生に夢中です。
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閑話休題、日経新聞の読書欄で、ある経営者が愛読書として挙げている『薔薇の名前』の短いコメントを目にした時、時空が歪んだかのような衝撃を受けました。これぞ、私が読まなければいけない小説と確信したからです。
『薔薇の名前』は難解で複雑な小説と聞き及んでいたので、取り敢えず全体像を把握するために、『ウンベルト・エーコ 薔薇の名前――笑いは知の限界を暴く』(和田忠彦著、NHK出版・NHK 100分de名著)を手にしました。
「冒頭だけを例にとってもこの小説にはかなり手の込んだ枠組み、というか仕掛けが設定されていることがわかるわけですが、一方で、これが世界的ベストセラーになったことからも明らかなように、この『薔薇の名前』はどんな読者であっても楽しむことができる作品でもあります」。
「ときは1327年11月末、北イタリアのベネディクト会修道院に、フランチェスコ会修道士パスカヴィルのウィリアムと、ベネディクト会の見習い修道士メルクのアドソがやってきます。この修道院において、アヴィニョン教皇庁の使節団とフランチェスコ会使節団との会談が数日後に予定されていて、ウィリアムはその調停役を務めるためやってきていたのですが、会談の直前に修道院で連続殺人事件が発生。ウィリアムとアドソの師弟コンビが探偵役となり、謎解きに挑んでいくことになります」。ワクワクしてきました!
ウィリアムは「この事件について、ついにみずからの見解を披露します。この事件の原因は『修道僧たちのあいだの争いや復讐などではなく、この修道院のはるか昔に遡る歴史に端を発した出来事にあるのです』と切り出し」ます。うーむ、奥が深いなあ。
「中世の修道院を舞台に、7人の修道僧が死に、異端が裁かれ、巨大な知の迷宮が最後は炎に包まれて焼け落ちたこの小説は、こうしめくくられています。<過ギニシ薔薇ハタダ名前ノミ、虚シキソノ名ガイマニ残レリ>。うーむ、『薔薇の名前』そのものを読まねばと、ムズムズしてきました。