旧江戸川乱歩邸応接間で行われた、乱歩に縁のある20人へのインタヴュー集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3373)】
【読書の森 2024年7月5日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3373)
キノコ(写真1~10)が生えています。ノシメトンボ(写真11)、ヤミイロカニグモ(写真12)をカメラに収めました。家の中に入ってきた小さくて黒いクモは、殺したり追い出したりしないでください。人間には無害で、小バエやダニなどを獲物にしているアダンソンハエトリ(写真14)というクモだからです。
閑話休題、『乱歩を探して』(後藤隆基著、立教大学江戸川乱歩記念大衆文化研究センター監修、立教学院企画室)は、旧江戸川乱歩邸応接間で行われた、乱歩に縁(ゆかり)のある20人に対するインタヴューで構成されています。
個人的に、とりわけ印象深いのは、下記4人のユニークな目の付け所です。
●和嶋慎治が、乱歩自身が自分の書いた原稿や本を全て収集・分類して残した意味を考察していること。
●佐野史郎が、乱歩作品の背景には、直接であれ間接であれ、常に「戦争」があると指摘していること。
●十代目松本幸四郎が、乱歩の小説『人間豹』の「わからなさ」、「はてな」をそのまま歌舞伎化したと語っていること。
●齋藤雅文が、乱歩は歌舞伎や三味線、レコード、映画、流行歌といった「音」を小説として再構成したのだと推考していること。