全国の本屋たち、しぶとく頑張ってくれ!・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3383)】
撮影助手(女房)が飛翔するチョウトンボを見たことがないと言うので、探しに行きました。チョウのように飛び交う数頭のチョウトンボに出会えたが、残念ながら、翅の色合いがよく分かる写真は撮れませんでした(写真1、2)。今季初めて、ミンミンゼミの鳴き声を耳にしました。サシバの幼鳥(写真3)、カルガモの親子(写真4)をカメラに収めました。ハス(写真5~7)、ヤマユリ(写真8)が咲いています。
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閑話休題、『しぶとい十人の本屋――生きる手ごたえのある仕事をする』(辻山良雄著、朝日出版社)は、本屋としてしぶとく頑張っている9人(一部の人は過去形の「いた」)を、これまた本屋としてしぶとく頑張っている著者が訪ね歩いた対談集です。
とりわけ印象に残った言葉を挙げてみましょう。
●いまの子どもたちは小学生時代からタブレットでものすごい量の活字を読んでいるから、自分たちが子どものころには知らなかったようなことまで知っている。・・・なんだけど、その読書体験の中でいわゆる「物語」というのが少ないんですよ。絵本やライトノベルは読むんだけど、日本昔ばなしとかアンデルセンとかグリムとか、そうした古典的な物語は知らないわけです。でもそうした物語の中には、人生のすべてが詰まっている。
●いま世界は、間違いなく困難な方向に向かって進んでいると思うんですけど、おそらくこれだけ愚直というか、淘汰されつつある本屋という働きかたには、ますます価値があると思っています。これから人間にとって必要な仕事の一つにできないかな、なるんじゃないかなと思って。
●人間性を削って生き延びようとしているいまの社会では、本屋という効率の悪さも、それがかえって求められているものなのかもしれません。
●意外でしたね。本屋をやりたい人がこんなにいるとは。
●新刊書店でも古本屋でもいいのですが、一度フルタイムで本屋をはじめた人は、不思議とやめないですよね。これだけ本屋が苦しいとか、儲からないと言われ続けている中で、やめたという話をあまり聞かない。
●ただビジネスでやっているわけではなくて、なんとしてでも、本を売ることで生きていこうとする・・・。結果やめないということなんでしょうね。
●本屋の中に、森羅万象をつくる。林ではなく、森羅万象。小さな店だからすべてがあるわけじゃないけど、何かすべてがあるような気がする。もちろんそれは、そのお客さんにとってすべてがあるような気がするだけで、ほかのお客さんにとっては何もないということもあるでしょう。でも、そうしたお客さんははじめから来ません。だから来るお客さんにとって、森羅万象があればそれでいいじゃないかというのがわたしの考えで、それには簡単にわかってしまわない、なんでこんなことになっているのだろうという感じが大事なのですね。
●自分自身がほんとうにやりたかったことが、本を売ることではなく、本の魅力を伝えることだとはじめて気がつきました。
全国の本屋たち、しぶとく頑張ってくれ!