大阪大学大学院理学研究科修了後、一部上場の化学メーカーの研究職を6年半勤めた30歳の女性がAV女優になったのはなぜか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3399)】
【読書の森 2024年8月3日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3399)
アメリカノウゼンカズラ(写真1、2)、テッポウユリ(写真3~5)が咲いています。
閑話休題、『はだかの白鳥――阪大大学院卒でAV女優に』(藤かんな著、飛鳥新社)を手にしたのは、大阪大学大学院理学研究科修了後、一部上場の化学メーカーの研究職を6年半勤めた30歳の女性がAV女優になったのはなぜか、ということが気になったからです。
著者は、AV女優のことを、「たくさんのスタッフがいる中で男優とセックスをし、その映像を人に見てもらう仕事」と説明しています。
本書を一気に読み終わって感じたことが、3つあります。
第1は、その率直な語り口からジャン・ジャック・ルソーの『告白』を、20歳以降の性的経験がのけ反るほど赤裸々に綴られていることから森鴎外の『ヰタ・セクスアリス』を思い浮かべてしまいました。
第2は、愚痴がぐだぐだと続く三五館シンシャの『交通誘導員ヨレヨレ日記』などの職業日記シリーズとは正反対で、AV業界讃歌一色なので、私もAV女優を目指そうという女性が増えるのではと心配になりました。
第3は、著者のユーモアが弾ける文章力に期待して、彼女が書くであろう小説を読んでみたいと思いました。