読書の敵とは・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3408)】
ハナトラノオ(別名:カクトラノオ。写真1)、メドーセージ(学名:サルヴィア・ガラニチカ。写真2)、タカサゴユリ(写真3)、ボタンクサギ(写真4~8)が咲いています。ボタンクサギでクロアゲハ(写真7、8)が吸蜜しています。サトキマダラヒカゲ(写真9)、ヒメウラナミジャノメ(写真10)、ムラサキツバメ(写真11)、オオアオイトトンボの雌(写真12、13)をカメラに収めました。
閑話休題、『本に出会ってしまった。――私の世界を変えた一冊』(前田和彦編、Pヴァイン)で、とりわけ印象深いのは、●岡崎武志、●島田潤一郎、●前田エマ、●後藤護、●かげはら史帆――の世界を変えた一冊です。
●岡崎武志
残された文章を読めば、いつでも「植草さん」が立ち現れる――『ワンダー植草・甚一ランド』(植草甚一著)
●島田潤一郎
読書の敵、読書のよろこび――『文学が好き』(荒川洋治著)
島田は、「自分を一角の人物のように思い込み、本を読んでいても、自分の経験や世間知のようなものを重んじて、作者のいい分を低く見積もる」ことを「読書の敵」と呼んでいます。
●前田エマ
それが絶望だったとしても――『少年が来る』(ハン・ガン著)
ハン・ガンは現代の韓国を代表する女性作家で、『少年が来る』は韓国の光州民主化抗争について書かれた小説です。
●後藤護
本嫌いを本狂いに変えた一冊――『目の中の劇場』(高山宏著)
松岡正剛が高山本を音読せよとアジっていると記されています。後藤にとって、高山の魅力は活字中心文化に対して「図像を読む」力を訴えた点に尽きると断言しています。
●かげはら史帆
私の「昨日」の世界――『昨日の世界』(シュテファン・ツヴァイク著)
ツヴァイクは自伝的テクスト『昨日の世界』を脱稿後、妻とともに服毒自殺します。かげはらは、『ジョゼフ・フーシェ』や『メリー・スチュアート』のクールな筆致とは異なり、『昨日の世界』はいささかの恥じらいもなく自己愛や自己憐憫を前面に出していると驚いています。