安倍晋三政権の「アメとムチ」で「吠えない犬」に成り下がった日本のメディア・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3429)】
コサギ(写真1~3)、ウシアブ(写真4、5)、ウチワヤンマ(写真6)、アブラゼミ(写真7)、コミスジ(写真8)、イチモンジチョウ(写真9)、アカボシゴマダラ(写真10)をカメラに収めました。
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閑話休題、『吠えない犬――安倍政権7年8カ月とメディア・コントロール』(マーティン・ファクラー著、双葉社)は、7年8カ月に亘り、「アメとムチ」を駆使してメディアを自分たちの思いどおりに操った安倍晋三政権と、その魂胆が見え見えの手管を甘んじて受け容れ、「吠えない犬」に成り下がった何とも情けない日本のメディアを告発しています。
その手法は、政権に迎合的なメディアには、首相への独占インタヴューの機会を与える、官邸から積極的に情報を流す一方で、朝日新聞のように政権に批判的なメディアには、距離を置いて独占取材をほとんど受けない、スクープを与えない、「ムチ」を使って痛みを思い知らせるといった、えげつないものでした。そして、この手法を編み出し運用したのが菅義偉官房長官であったと喝破しています。
官邸からの圧力は、朝日新聞だけでなく、テレビ各局にも及びました。その標的となったのが、古賀茂明、古舘伊知郎、岸井成格、国谷裕子、望月衣塑子といった気骨のある人たちです。
私が、とりわけ情けなく思ったのは、朝日新聞が政権から攻撃を受けたときに、産経新聞や読売新聞が政権と一緒になって朝日新聞を攻撃したことです。「少なくともアメリカでは、朝日新聞が政権から攻撃を受けたときに他のメディアが政権と一緒になってバッシングするような状況は、私の知る限り見たことがない。ジャーナリスト同士が潰し合いをするなど、表現の自由の自殺行為であり、愚かな同士討ちでしかないと皆がわかっているからだと思う」。
日本のメディアは、いったいどんな顔をして本書を読むのだろう。