アメリカの1927年の夏を彩った個性的な人物たちの生き方、悲喜劇を生き生きと再現・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3486)】
【読書の森 2024年10月25日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3486)
マユミ(写真1)が実を付けています。ツバキ(写真2)、セイタカアワダチソウ(写真3)、ホトトギス(写真4~6)、ツクバトリカブト(写真7、8)、ムラサキノマイ(学名:オキザリス・トライアングラリス。写真8)が咲いています。
閑話休題、厚さが4.2cmある『アメリカを変えた夏 1927年』(ビル・ブライソン著、伊藤真訳、白水社)には、1927年の夏がアメリカを変えたという著者の熱い思いが籠もっています。
ニューヨークを離陸した若き飛行士チャールズ・リンドバーグがパリに到着、世界初の大西洋単独横断飛行に成功して、一躍、世界中の人気者になったこと。ニューヨーク・ヤンキースのベーブ・ルースがシーズン60号のホームランを放って大リーグ記録を塗り替えたこと。禁酒法を逆手に取り、シカゴの闇世界の帝王アル・カポネが1億ドル以上を荒稼ぎしたこと。自動車王ヘンリー・フォードが名車T型フォードに代えてA型フォードの開発に乗り出したが、大きなダメージを被ったこと――などなど。
向こう見ずな冒険、常軌を逸した情熱、底知れない楽天主義と悪徳の栄え――。著者は、アメリカの1927年の夏を彩った個性的な人物たちの生き方、悲喜劇を生き生きと再現しています。
個人的に気になったのは、リンドバーグとフォードが反ユダヤ主義的な言動を繰り広げたことです。