急速に普及している顧客起点のインテントセールスとは・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3589)】
企業など組織のマーケティングを担当している人、マーケティングに関心のある人にとって、見逃せない一冊が出現しました。『インテントセールス――米国企業の6割が実践する興味関心(インテント)データを活用して売上を伸ばし続けるための最先端モデル』(小笠原羽恭著、翔泳社)が、その本です。
本書の内容は、サブタイトル「米国企業の6割が実践する興味関心(インテント)データを活用して売上を伸ばし続けるための最先端モデル」が明快に示しています。
近年、顧客の興味関心、すなわちインテントに注目した企業活動が展開されていることは知っていたが、今や、米国では既に6割の企業がインテントセールスを導入しており、日本でも、ここ数年、急速に普及しているというのです。その背景には、AIを始めとするテクノロジーの進化、営業手法の変化やDX推進の加速、インテントセールスの成功事例の認知上昇があります。
インテントセールスの本質は「顧客起点」です。顧客起点の営業アプローチは、顧客のニーズ・ウォンツと課題に深く寄り添い、それを解決することを最優先に考える姿勢を反映しています。「この製品を売りたい、サーヴィスを提供したい」という売り手側の視点から、「顧客がどんな課題を持っているのか、顧客のニーズ・ウォンツは何か」を探る、購入者や利用者の視点にトレンドが切り替わっているのです。その変化に伴い、顧客や業界、市場などへの理解は必要不可欠なものとなり、より複雑で多くの情報を適切に収集、分析していくことが求められています。
インテントセールスで一番重要なのは、「顧客が何を求めているのか」をタイムリーに理解し、それに応じて最適なタイミングで、パーソナライズされたコミュニケーションを行うことです。
インテントセールスを成功させるための4つのポイントが挙げられています。
①顧客が購買に対して、問題認識、解決策探索、比較検討、購入先決定のいずれの段階にあるのかを見極める。
②インテントデータを活用し、アプローチすべきキーパースンを選定する。
③インテントデータを活用し、顧客のニーズ・ウォンツに合わせた訴求内容を作成する。
④ターゲットに最適な複数のチャネルを使い分ける。