街で暮らしはじめたイソヒヨドリとイワツバメについて学生が調査して分かったこと・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3625)】
【読書の森 2025年3月9日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3625)
ジンチョウゲ(写真1、2)が芳香を、サクラソウ(写真3、4)が独特の香りを漂わせています。ムスカリ(写真5)が咲いています。
閑話休題、『先生、イルカとヤギは親戚なのですか!――[鳥取環境大学]の森の人間動物行動学』(小林朋道著、築地書館)で、個人的に、とりわけ興味深いのは、「街で暮らしはじめた鳥の話――ヒトと野生動物との共存のあり方とは・・・」の章です。
学生のUeくんが、街(都市や郊外)で暮らし繁殖するようになったイソヒヨドリについて、鳥取県東部では、どんな場所まで生息の範囲を広げているのか、どんな特性の建物がある場所を好むかについて調べ、学生Ndくんは、1900年代半ばごろからヒトの生活圏に侵入して繁殖するようになり、大きな橋やビルに営巣するようになったイワツバメについて調べたことが記されているからです。
イソヒヨドリもイワツバメも、私が住む千葉県北西部の街でも繁殖しているので、興味津々で読み進めました。いずれも、バード・ウォッチャー榎戸の貴重な被写体です。
章の後半では、イソヒヨドリやイワツバメも含めて、「今後のヒトと野生生物たちとの共存のあり方」という難しい問題が考察されています。