テレビアニメで人気者になったアライグマが害獣となってしまったのはなぜか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3635)】
【読書の森 2025年3月19日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3635)
雹と雷――。
閑話休題、『海を渡ったアライグマ――人気者がたどった道』(淺野玄著、東京大学出版会)のおかげで、アライグマのことをいろいろと知ることができました。
●アライグマは、もともと北米大陸に広く分布する動物である。
●1977年に放送された、実話をもとに製作されたテレビアニメ『あらいぐまラスカル』で人気に火が付き、ペットとしての輸入が急増した。
●ペットとして輸入されたものが逃げ出したり、飼育に困った飼い主が野に放ったことで野生化した。野生化したものが、農作物や生態系への被害や家屋侵入などの問題をもたらす害獣となっている。
●定着から僅か50年で日本各地に分布を拡大し、今や、日本からの完全根絶は極めて難しい状況となっている。
●ペット動物の害獣化を防ぐには、予防対策と初期対応が重要である。予防対策の成功例として、厳しい外来種管理政策を採用しているニュージーランドの例が挙げられている。