榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

何としても、日本から人質司法をなくすぞという、80歳の角川歴彦の怨念が籠もった一冊・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3663)】

【読書の森 2025年4月14日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3663)

ヒバリ(写真1、2)、ムクドリ(写真3)、ツグミ(写真4)、コガモの雄と雌(写真5)、ヒドリガモの雄と雌(写真6)、コサギ(写真7)、チュウダイサギ(写真8)、ダイサギ(写真9、10)、アオサギ(写真11)をカメラに収めました。カラシナ(写真12)、ムラサキケマン(写真13)が咲いています。ツバキ(写真14、15)が落花しています。我が家では、ハナミズキ(写真16、17)が咲き始めました。因みに、本日の歩数は16,181でした。

閑話休題、手記『人間の証明――拘留226日と私の生存権について』(角川歴彦著、リトルモア)には、何としても、日本から人質司法をなくすぞという、80歳の角川歴彦の怨念が籠もっています。

東京2020年オリンピック・パラリンピック開催に当たり、部下と共謀の上、電通出身の組織委員会理事に賄賂を渡してスポンサー選定を依頼したという疑いで、突然逮捕され、起訴、226日に亘る長期拘留、保釈に至るまでが綴られています。

日本では、被疑者の取り調べ時には弁護士の立ち会いが許されず、家族との面会も制限され、無罪を主張したり黙秘したりすると、容疑を認める自白を引き出すために起訴後も長期間の身体拘束が続きます。これが、人質司法と呼ばれる謂れです。

「拘置所では24時間監視のもと、あらゆる自由が制限され、折りたたんだ布団に寝転ぶことも許されない。・・・当時、79歳だった私は心臓に持病を抱え、拘留中に3度倒れ、2度入院した。医師からは『生きている間はここを出られない』と告げられた」。

著者は、この手記は無罪を訴えるためのものではないと明言しています。拷問とも呼べる人質司法の非人間性、違法性を広く世に問いたいという著者の思いが、ひしひしと伝わってくる一冊です。

私事に亘るが、著者は、東京・杉並区立松溪中学で私の1年先輩であり、廊下で何回かすれ違ったことがあります。人質司法の根絶を願うや切。