卑弥呼の高度な外交戦略・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3718)】
アメリカハナズオウ‘シルヴァー・クラウド’(写真1~5)の葉は、淡桃色→白色→中心部が緑色と変化します。イロハモミジ(写真6)の赤い新芽が目を惹きます。デンドロビウム・ノビル(写真7)、ガンセキラン(写真8)が咲いています。アジアンタム・ラディアナム(写真9)が涼しげです。
閑話休題、『新・古代史――グローバルヒストリーで迫る邪馬台国、ヤマト王権』(NHKスペシャル取材班著、NHK出版)の最大の特徴は、最新の発掘調査やAI、DNA分析などの科学的アプローチと、日本史や世界史という垣根を乗り越えて地球規模のスケールでありのままの歴史を俯瞰しようという新潮流・グローバルヒストリーを融合させている点にあります。
邪馬台国所在地論争や「倭の五王」比定論争などについては、論点の明快な解説にとどめ、敢えて、どちらの肩も持っていません。
個人的に、とりわけ興味深いのは、●卑弥呼の高度な外交戦略、●発見が相次ぐ韓国の前方後円墳、●倭国が百済の求めに応じて朝鮮半島に出兵した理由――の3つです。
●卑弥呼の高度な外交戦略
卑弥呼は、魏と呉の海上覇権を巡る対立関係を巧みに利用したというのです。呉が海上から魏を攻める際の補給基地として倭国を重視していることを利用して、卑弥呼は銀に自分たちを高く売り込み、破格の支援を引き出すことに成功したというのです。
●発見が相次ぐ韓国の前方後円墳
朝鮮半島で生み出された前方後円墳が日本列島に伝わったと考えられてきたが、発掘調査や副葬品の調査分析から、前方後円墳は日本列島で生まれ、その後、朝鮮半島に伝わったことが明らかになっています。被葬者が誰かという議論は続けられているが、倭国と朝鮮半島が密接に繋がっていたことは確かだというのです。
●倭国が百済の求めに応じて朝鮮半島に出兵した理由
高句麗が領域を拡大し朝鮮半島を南下してきため、百済が同盟関係にある倭国に救援を求めてきました。古代の最重要戦略物資・鉄の輸入先である百済を失うことは致命的であったため、倭国は高句麗の南下を見過ごすわけにはいかなかったのだというのです。