榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

成功するのに一番必要な能力は、観察力だ・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3737)】

【読書の森 2025年6月19日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3737)

コチドリ(写真1~4)、ムクドリ(写真5)、その若鳥(写真6)、イソヒヨドリの雌(写真7、8)、カルガモの親子(写真9)、コフキトンボの雌(写真10)をカメラに収めました。アガパンサス(写真11~13)が咲いています。我が家では、ナツツバキ(写真14、15)が毎日、たくさん咲いてはたくさん散っています。

閑話休題、『観察力を高める―― 一流のクリエイターは世界をどう見ているのか』(佐渡島庸平著、SBクリエイティブ)の著者は、成功するのに一番必要な能力は、観察力だと断言しています。

そして、観察力を鍛えるとは、バイアスに気づいて、バイアスを外して見直すことだと強調しています。観察力があるとは、細かいことに気づく能力ではなく、バイアスを外して、まっさらな目で見る力だというのです。

●いい観察は、ある主体が、物事に対して仮説をもちながら、客観的に物事を観て、仮説とその物事の状態のズレに気づき、仮説の更新を促す。一方、悪い観察は、仮説と物事の状態に差がないと感じ、わかった状態になり、仮説の更新が止まる。

●「仮説→観察→問い」のサイクルを回す。

●あこがれている人のスケジュールをチェックし、習慣を真似る。

●認知バイアスを武器に変える。

●一期一会の感覚が人生を豊かにする。

●未知のことにどれだけワクワクできるか。

●感情と関係性の解像度を高める。

●物語によって、見えないものに気づく力を鍛えよ。

●他者からの見えない贈与を受け取る。

●正解を手放す「アンラーン」のすすめ。

●多様性とはあいまいな世界。

●「あいまい」を伝えるために物語はある。

●わからないこと、あいまいなことをそのまま伝える。

●観察とは愛である。

「『あいまいを受け入れること』『いること』『今に集中すること』『目的を手放すこと』、これらは、僕にとって別のことだった。しかし、この本を書きながら、その4つが密接に結びついていて、同じことを違う側面から描写しているにすぎないと気づくことができた。僕は何かをわかったのではない。気づき、新たな問いの入り口に立ったのだ」という著者の率直な述懐に好感を覚えました。