ナポレオンは軍人=独裁者というよりも、戦略的な政治家だった・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3763)】
【読書の森 2025年7月13日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3763)
ナツアカネの雄(写真1)、ショウジョウトンボの雄(写真2)、シオカラトンボの雄(写真3)、チョウトンボの雄(写真4)をカメラに収めました。キキョウ(写真5~7)、オオバギボウシ(写真8、9)が咲いています。我が家の庭師(女房)から、ペチュニア(写真10)が咲いているわよ、との報告あり。
閑話休題、『ポピュリスト・ナポレオン――「見えざる独裁者」の統治戦略』(藤原翔太著、角川新書)の主張は明快です。
ナポレオンは軍人=独裁者というよりも、戦略的な政治家だったというのです。
ナポレオンは多様なネットワークを駆使して膨大な情報を収集し、それに基づき、政治の方向性を決定した。中央政府の主導のもと、各地では、名望家で構成される地方議会が具体的な計画を作成し、県知事が実行に移した。ナポレオン時代には、県知事と名望家の協力関係に基づき、各地でさまざまな改革が行われて、革命からの「復興」がなされた。治世を通じて、ナポレオンが「住民の意向」を重視し続けたことは確かである――というのです。
●「異国の地」での経験が彼を政治家に育てた
●徹底して情報収集したナポレオン
そのナポレオンが、自分の政府の警察大臣ジョゼフ・フーシェの情報収集能力の高さを恐れ、警戒したことが記されている。
●国民の期待を体現していることをアピールするための、ナポレオンのプロパガンダ戦略
――が具体的、かつ詳細に考察されています。
現代の目端が利く政治家たちが戦略的政治家を目指そうとするとき、本書は恰好の教科書として威力を発揮するのではないでしょうか。