預貯金をはたいての新NISA買いは危ない!・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3799)】
クルマバッタモドキの緑色型(写真1、2)、褐色型(写真3、4)、アメンボ(写真5、6)、ダイサギ(写真7)、カルガモ(写真8)、キジバト(写真9)をカメラに収めました。モミジアオイ(写真10)が咲いています。
閑話休題、死が近いことを自覚した人間の舌鋒は鋭い。『日本人「総奴隷化」計画1985~2029 ――アナタの財布を狙う「国家の野望」』(森永卓郎著、徳間書店)も、その例に漏れません。
本書では、政治・経済について、森永卓郎らしい鋭い主張が展開されています。私にとって賛成できる主張と、賛成しかねる主張が混在しています。私が大きく頷いたのは、下記の3つです。
●「ご法度」とされてきた製造業の派遣労働を解禁した竹中平蔵
2004年に、金融担当大臣の竹中が製造業の派遣労働を解禁するなど、正社員中心の雇用からクビを切り易い派遣社員中心への流れを作り、終身雇用の正社員が主流だった日本の雇用環境に、経営者にとって都合のよい非正規雇用を大量に供給することで、日本企業の競争力を上げようと試みた。ところが実際には、企業にとって都合のよい使い捨ての人材が大量に生み出されただけだった。この結果、かつては約10%だった非正規雇用が、今や4割にまで上がっている。
私が三共(現・第一三共)を退社し、MR派遣会社を立ち上げたのは2003年秋のことでした。従って、2004年の労働者派遣法改正をごく身近で体験することになりました。
●財務省や厚労省の官僚が敵視しているのは、専業主婦と悠々自適な高齢者
定年を迎えて、その後は働かずに悠々自適という老後の人生設計はよほどの蓄えがない限り、ほとんど不可能になりつつある。「老後には2000万円が必要」というメッセージに隠された政府の意図は「もう年金はあてにしないでください」ということ。そして「生涯にわたって働き続けてください」というのが政府の本音だ。
●預貯金をはたいての新NISA買いは危ない
株式市場というのはバブルと暴落は避けられないというのが、株式市場100年間の教訓。バブルで膨らみ切った株式市場が弾ければ、若者も高齢者も路頭に迷うことになる。そんな人生を棒に振るようなリスクを冒してまで投資をする必要があるのだろうか。
2025年1月28日に永眠した著者は、お金に翻弄されないことで幸せを感じる――状態をベストと考えていたようです。