現状のままでは、私たちが上下水道を使えなくなる日が来る!・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3896)】
【読書の森 2025年11月22日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3896)
ハシビロガモの雄(写真1、2)、アオサギとダイサギとコサギ(写真3)、アオサギ(写真4)、ダイサギ(写真5)、コサギ(写真6)をカメラに収めました。ホトトギス(写真7)、キダチダリア(別添:コウテイダリア。写真8~11)が咲いています。












閑話休題、『あなたの街の上下水道が危ない!』(橋本淳司著、扶桑社新書)には、私たちにとって非常に重要なことが3つ書かれています。
●法定耐用年数を超えた水道管は全国で22.1%、下水道管では今後十数年で4割に達する。この老朽化に、点検困難、料金収入減、人材不足(担い手消失)、流域下水道という広域処理の仕組みの弱点露呈――が加わり、上下水道体制の維持が困難になっている。埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故は、まさに、この流域下水道の弱点露呈の実例である。
●水使用量の減少と人口減少、病院やホテルの地下水利用への転換により、水道事業の料金収入は先細り、その一方で老朽インフラの更新費用は膨らみ続けている。下水層の維持には水道以上の手間と費用がかかっている。
●公営化か民営化の問題は一筋縄ではいかない。イギリスでは、民営化されたテムズ・ウォーターが財務不全と事故多発を招いている。フランスのヴェオリアは世界最大の水メジャーとなる一方、膝元のパリ市では水道再公営化が行われた。一方、ドイツでは地方自治体が主導するシュタットベルケ(都市公社)が、公共性と経済性の両立を図るモデルとして注目されている。
都市の生命線であるにも拘わらず、今、静かなる崩壊が進み、かつての成功体験が負の遺産と化しつつある上下水道に、私たち自身がどう対処すべきか、さまざまな考察がなされています。上下水道の恩恵に与っている私たち全員にとって必読の一冊です。
