ホロコーストを引き起こしたナチの犯罪者を追い続けてきたナチ・ハンターたちのドキュメント・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3988)】
【読書の森 2026年2月13日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3988)
我が家の餌台の常連のシジュウカラ、スズメ、メジロたち。












閑話休題、『終章ナチ・ハンター ――ナチ犯罪追及 ドイツの80年』(中川竜児著、朝日新書)は、終戦から80年に亘り、紆余曲折を経ながら、ホロコーストを引き起こしたナチの犯罪者を追い続けてきたナチ・ハンターたちのドキュメントです。
史上最悪の犯罪の中央にいた「大物」にも、末端にいた「小物」にも、執拗な追及の手が迫る過程は、息詰まるような緊張感を覚えます。
大物では、●「ユダヤ人問題の最終解決」(=ジェノサイド)を強力に推進し、「リカルド・クレメント」という偽名を使いアルゼンチンで逃亡生活を送っていたアドルフ・アイヒマンのケース、●アルゼンチンからブラジルへと逃げ延びた、アウシュヴィッツ収容所で人体実験を繰り返し、「死の天使」と呼ばれた医師ヨーゼフ・メンゲレのケース――が印象に残りました。
●100歳近くで法廷に立たされた、当時10代の収容所看守ジョン・デミャニュクという小物のケースにもかなりのページが割かれています。
ナチ・ハンターの活動も終わりを迎えようとしている今、著者は、戦争犯罪を追及する難しさ、日本における戦争犯罪追及はどうだったのか、現在のガザに対するイスラエルの容赦ない攻撃――といった課題についても、読者に問題を投げかけています。
重い内容の一冊です。
