榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

12人のリーダーたちの力強い励ましメッセージ集・・・【続・リーダーのための読書論(55)】

【ほぼ日刊メディカルビジネス情報源 2015年7月16日号】 続・リーダーのための読書論(55)

卒業式スピーチ

巨大な夢をかなえる方法――世界を変えた12人の卒業式スピーチ』(ジェフ・ベゾス他著、佐藤智恵訳、文藝春秋)は、私たち社会人をも勇気づけてくれる。

「アメリカで大学の卒業式といえば一大イベント。毎年CNNのニュースなどでも大きく報道されます。・・・世界で活躍するリーダーたちにとって、大学の卒業式で講演をするというのは、とても名誉なことです。だからこそ自分の生き方のすべてを包み隠さず若者に伝えたいと思うのです。本書で12人のリーダーたちは、これから社会人となる学生に向けて、惜しげもなく、その『成功の秘密』を語っています。幼い頃をどう過ごしたか、どうやってチャンスをつかんだか。どのようにグーグルやアマゾンやヤフーのアイデアを思いついたか。成功者である12人が必ずといっていいほど語ったのが、不遇の時代の話でした」。

アマゾン創業者のジェフ・ベゾス、グーグル創業者のラリー・ペイジ、ヤフー!創業者のジェリー・ヤン、フェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグなど12人のスピーチはどれも素晴らしいが、アリババグループ創業者のジャック・マーと、世界で最も影響力のある教育者の一人、サルマン・カーンのそれが、とりわけ私の胸に強く刻みつけられた。

常に楽観的であれ

ジャック・マーの講演のポイントは、「大学受験に3度失敗して――私が14年間で得た哲学はひとつ。今日はつらい。明日はもっとつらい。でも明後日には、素晴らしい一日が待っている」。

「根気強く、努力をつづけてください。常に楽観的に考えてください。変化を歓迎してください」。

人生をやり直すつもりで

カーンアカデミー創業者のサルマン・カーンが講演で訴えたかったのは、「思考実験としての輪廻転生――50年後、人生を振り返ったときに後悔のないよう。ジーニー(ディズニー映画『アラジン』に登場するランプの魔人)に2度目の人生を与えられたのだと思って、毎日を生きてください」。

「自分の50年後を想像してみましょう。あなたは70代前半。キャリアも終盤です。あなたは自分の人生を振り返っています。まずは成功したことを次々と思い出していきます。仕事での成功、プライベートでの成功・・・素晴らしい思い出の数々が蘇ります。しかしその次の瞬間には、後悔が頭をよぎります。・・・そこに、ジーニーがあらわれました。ジーニーは言います。『人生をもう一度やり直すチャンスをあげよう』。・・・『ジーニーが本当に望みを叶えてくれたんだ。もう一度、人生をやり直せる。成功も冒険も、最初からもう一回味わえる。でも二回目なんだから、もっとうまくやろう。・・・何をやるにも一回目よりも全力でやろう』。