榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

上流階級の名士夫人の転落・・・【山椒読書論(411)】

【amazon DVD『スキャンダル』 カスタマーレビュー 2014年2月12日】 山椒読書論(411)

映画館で、36年前に、このイタリア映画を初めて見た時、興奮を抑えるのに必死であった。

スキャンダル』(DVD『スキャンダル』<サルヴァトーレ・サンペリ監督、リザ・ガストーニ、フランコ・ネロ出演、キングレコード。販売元品切れだが、amazonなどで入手可能>)は、1940年5月、ヒトラーの軍隊がフランスに侵入する数カ月前の南フランス・プロヴァンスの静かな町で幕を開ける。女盛りのエリアーヌは、薬剤師として自分の薬局を切り盛りしている。夫のアンリは町の名士の大学教授であり、15歳の娘・ジュスティーヌを加えた生活は物質的に満たされていた。

ところが、ある日、店の雑役夫・アルマンが、同じ店の女店員と間違えて、暗闇の中で女主人を抱いてしまう。エリアーヌは、粗野な下男の思いがけない振る舞いに怒るが、彼女の成熟した肉体を稲妻のように快感が突き抜けていく。

これ以来、誇り高かった上流階級の名士夫人は、若く野性的で逞しいアルマンの愛の奴隷となってしまい、二人だけのときは主従関係が逆転してしまう。勝ち誇ったアルマンは次々と無理な要求を突きつける。そして、遂に、アリアーヌに、今夜は全裸になって店の前に立ち街娼の真似をしろと命ずる。

このDVDは、女房が実家に帰って留守の間に、こっそり見ることにしている。