榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

オオカミ好きには堪らない、写真+解説が充実している一冊・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1451)】

【amazon 『オオカミと野生のイヌ』 カスタマーレビュー 2019年4月10日】 情熱的読書人間のないしょ話(1451)

冷たい雨をカメラに収めることができました。雪が3cm積もっていると、東京・青梅に住む妹から女房に連絡が入りました。千葉・柏のくまざわ書店柏髙島屋ステーションモール店では、朝日、日経、毎日、読売、東京、産経の6新聞の先週と今週の書評欄が貼り出され、そこで取り上げられた全ての書籍が一列に展示されています。これは、読書好きには何よりのサーヴィスです。因みに、本日の歩数は10,055でした。

閑話休題、『オオカミと野生のイヌ』(菊水健史監修、近藤雄生本文、澤井聖一写真解説、エクスナレッジ)では、オオカミーーハイイロオオカミの亜種たち――と野生のイヌたち――オオカミの仲間たち、南米の野生イヌたち、アカギツネの仲間たち、ハイイロギツネの仲間たち――について詳細に解説されています。

世界各地に生息するオオカミの全てがハイイロオオカミの亜種だと記されています。「その毛色は、名前のように灰色だけでなく、白色から黒色まで、灰褐色、黄褐色など個体によってさまざま」。

「日本にはかつて、2つのタイプのオオカミが存在した。北海道に生息した大型のエゾオオカミと、本州・四国・九州に生息した小型のニホンオオカミである。どちらも、まだ日本がユーラシア大陸と陸続きだった100万年以上前に他の大型動物とともに渡ってきたので元来は同一のオオカミだったはずである。しかしその後、約1万年前から始まった沖積世(完新世)の時代に本州が北海道から離れたことで両者は異なる進化を遂げた」。

「近年の研究では、イヌとオオカミは共通の祖先を持つが、オオカミがイヌの直接の祖先であるわけではないとされている」。

85犬種の中で、遺伝的にオオカミに1番近いイエイヌは柴犬、2番はチャウ・チャウ、3番は秋田犬という研究が2002年に発表されています。「ニホンオオカミと日本犬の遺伝的なつながりは否定されている。日本犬は、オオカミが家畜化された結果ではなく、イヌとして日本列島に渡ってきたと考える方が妥当なようだ。そもそも、オオカミが家畜化されてイヌになったという長年の通説そのものも否定されつつある」。

オオカミ好きには堪らない、写真+解説が充実している一冊です。