女性社員への本音のアドヴァイスがぎっしりと詰まった本・・・【薬剤師のための読書論(10)】
『がんばった分だけ認められる女子の仕事術』(千葉のり子著、日本実業出版社)には、女性薬剤師のみならず、さまざまな職種の女性社員の役に立つ内容がぎっしりと詰まっている。
著者の失敗体験、成功体験に基づいたプラグマティズム(実用主義)的、現実主義的な48のアドヴァイスが収められている。
「上司は『クライアント』だと考える」という発想は、秀逸だ。「会社から給与をもらっていることを考えれば、あなたに仕事を依頼する上司は『クライアント』」だというのだ。「相手がクライアントなら、個人的な好き嫌いの感情や、尊敬に値する人物かどうかなんてことは関係なくなりますよね。『クライアントの期待に沿うこと』ただ一点に智恵を絞るでしょう」。そして、「ぜひ上司が手放せなくなるような部下を目指しましょう」と発破をかける。
「ハッキリいいます。仕事のできる人にとっては、『会議前の根回し』は常識です」。「会社には暗黙の『組織のルール』がある」、故に、特に重要な「組織の序列と縄張り」には注意せよと言っている。
「メールの返信は『早く、短く』を目指す」、「手を抜ける仕事には時間をかけるな」、「仕事も料理も『段取り』がよければ、短時間で仕上がる」、「人に任せられる仕事は、さっさと任せてしまう」、「休日は、仕事を忘れるくらい『好きなこと』をする」、「知識を詰め込むより、お客さまのニーズを知る」――と、実戦的なアドヴァイスが続く。
さらに、「成長のチャンスは、『NO』といわれたときに訪れる」のだから、「『頭脳明晰とはいえない上司』『面倒見のよくない上司』のもとでたくさんの失敗を経験したほうが、あとあと自分の成長の糧になる」と、あくまで過激である。
戻る | 「第7章 仕事にロマンを」一覧 | トップページ