榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

退職、家出をした53歳のコンビニ店員の前に現れた女性の正体・・・【情熱的読書人間のないしょ話(325)】

【amazon 『黄昏流星群(49)』 カスタマーレビュー 2016年3月21日】 情熱的読書人間のないしょ話(325)

私は雨上がりの瞬間が好きです。これから何かいいことが始まりそうな気がするからです。散策中、ユキヤナギが雪を被ったかのように白い小花を咲かせているのを見つけました。レンギョウは黄色い小花を付けています。因みに、本日の歩数は12,744でした。

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閑話休題、コミックス『黄昏流星群(49)――人生再星の詩』(弘兼憲史著、小学館)に収められている「人生再星の詩」は、このシリーズとしては珍しく、53歳という比較的若い野村伸一が主人公です。

野村は入社して30年経つのに未だに係長。家族は妻と娘二人。軽自動車1台とローン付きのマンションの他には何も持っていません。

ある日、部長から、「いいか野村、『3・10・60・27の法則』というのを知ってるか? 非常に優秀な人間は全体の3%、かなり出来る人間は10%、普通の人間は60%、そしてダメな人間は27%いるという法則だ。そして、おまえは間違いなく下位の27%に属する人間だ」と指摘されてしまいます。

さらに、妻の不倫、長女の男との乱れた関係、次女の不登校を知った野村は、会社を辞め、何もかも置いて家を出て、コンビニでアルバイト店員として働き始めます。

ほぼ毎日、深夜2時から3時の間に来店して、決まって飲み物と雑誌を購入する40代半ばぐらいの女性に好意を抱き、会話を交わすようになります。

その女性は、実は・・・。

弘兼憲史の着想の妙がきらりと光る作品です。