榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

MR認定試験合格への道・・・【MRのための読書論(16)】

【Monthlyミクス 2007年4月号】 MRのための読者論(16)

MR認定試験の位置づけ

新人MR諸君にとって、MR認定試験は軽視できない第1関門であるが、いわゆる受験勉強に終始したMRと、その後のMR活動を支える知識習得の絶好の機会と捉えたMRとでは、大きな差が生じてしまう。

試験合格の秘訣

必ず合格する”成川式”勉強法!』(成川豊彦著、三笠書房・知的生きかた文庫)は、MR認定試験に限らず、さまざまな試験に合格する秘訣が簡潔明瞭に示されていて、類書の中で群を抜いている。
●最初から効率だけを求めると、いつまで経っても実力が身につかない。勉強はまず、量で勝負する。テキスト、過去問、模試にガンガン取り組む。考えながら量をこなしていくと、やがて質のいい勉強ができるようになる。これが本当の意味での、効率のいい勉強なのだ。
●講義や自習でAという項目を勉強したら、24時間以内にAに関する過去問や演習問題を解く。実際に問題に当たることによって、実戦に即した復習ができる。この場合、「24時間以内」がポイントとなる。
●講師に質問をしない受講生は、成績が伸びない。受身の勉強態度ではなく、積極的に学び取るという攻めの姿勢が必要なのだ。
●生真面目な人に多いのだが、思うように成績が伸びないと、自分を責め過ぎる人がいる。できなくてもクヨクヨするな、たかが試験勉強ではないか。ミスは直せばいい、と前向きになろう。
●「改善ノート」を作る。人間は同じような箇所で間違う傾向がある。だから、自分がミスし易い点を直していけば、正解率は飛躍的に高まる。1科目につき1冊の「改善ノート」を用意しよう。そこに、講義でよく理解できなかった部分や、過去問、模試で間違えた問題点などを書き込んでいく。そして、模試や本試験直前に、集中して読み返す。
●試験勉強は、完全主義、網羅主義でなく、重点主義でいく。テキストの重要箇所を徹底的に理解する。講義の中で講師が強調した点は、何が何でも頭に叩き込む。
●勉強とは、復習の積み重ねである。予習は必要なし、復習に命を懸けるべきだ。
●過去問は、試験委員からのメッセージと受け止める。その科目の本質的な部分が、過去問に凝縮されている。過去問の答えを丸暗記するのではなく、理解することが大切なのだ。
●1週間前に本試験会場を下見する。その際、本番を予想して、試験開始時刻に合わせて行くようにする。
●試験会場では、終わった科目は忘れ、次の科目に備える。
●真っ先に合格を報告したい人の写真を、いつも身につけて勉強に取り組む。

カリスマ講師のアドヴァイス

MR教育研修担当者の軽部昭徳は、受講生に下記のようなアドヴァイスをしている。●全科目のテキストを最低3回は繰り返し勉強せよ●「改善ノート」を作成する際は、関連項目を1カ所にまとめよ。こうすれば、知識を点でなく、線、面で理解することができる●薬剤名など、どうしても覚えなければならないものは、記憶法を工夫して、徹底的に覚えよ●自分が苦手な科目は、導入教育終了後も、時間を重点的に配分して勉強せよ●本試験までのMR活動中は、医療機関の待合室でも、できるだけテキストを開く習慣をつけよ●合格した先輩から「MR認定試験など、1週間も勉強すれば何とかなる」と言われても、信じるな。

鈴木康弘は、下記のように勧めている。●受験のための勉強と思わずに、今後のMR活動のための知識、ツールの研修と考えよ●講義、自習で理解できない部分は、研修担当者に聞け。そうしないと、時間がもったいない●模試は、自宅で受けずに、会場で受けよ●本試験では、問題文はゆっくり読め。これで、緊張を最小限にとどめることができる●本試験では、ケアレスミスを防ぐために、見直しを必ず実行せよ。

谷口馨は、下記のように述べている。●より多くの問題に当たることで、ポイントを掴め●導入教育終了後も、テキストは短時間でもよいから毎日開け●本試験開始のギリギリ直前まで、テキストや「改善ノート」を見直せ。最後の最後まで、悪あがきをすべし。