死期が近づいた難病患者とその周囲の人間はどう対処すべきか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(389)】
我が家の真上の電線でカワラヒワがピピピーッ、ピピピーッとよく通る声で鳴いています。並木の中を行く散策は涼しく快適です。萼が桃色で花が白いフクシアは気品があります。クリスマスローズが咲いていますが、白い花弁に見えるのは萼です。スパティフィラムの風に揺れる白い仏炎苞が涼しげです。カラディウム・キャンディダムの白地に緑の葉脈が鮮やかな葉も涼味を感じさせますが、水色の可憐な小さな花を付けているのにはびっくりしました。夜は、三共時代の大先輩を囲む会で思い出話に花が咲きました。日本橋のとあるビルの入り口にフェルナンド・ボテロの「母と子」という大きなブロンズ像が飾られています。子供を抱いた巨大な女性に踏まれているのは、どうも男性のようです。因みに、本日の歩数は10,480でした。
閑話休題、映画『サヨナラの代わりに』(DVD『サヨナラの代わりに』<ジョージ・C・ウルフ監督、ヒラリー・スワンク、エミー・ロッサム出演、キノフィルムズ>)は、残された人生をどう生きるかという難しい問題に取り組んだ意欲的な作品です。
周囲から憧れの視線を注がれていたセレビリティの36歳の女性が、難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)のため車椅子生活を余儀なくされてしまいます。彼女が介助人として雇ったのは、下品な言葉を連発する、性に奔放な女子大生でした。最初のうちはぎくしゃくしていた二人の関係も、いろいろな出来事を二人で乗り越えていくうちに、心が通い合うようになります。症状が進行し、遂に人工呼吸器を使用するか否かという重大局面に立ち至った時、二人は生きる上で本当に大切なものに辿り着きます。
死期を悟った難病患者とその周囲の人間はどう対処すべきか――いつ、自分に振りかかってきてもおかしくない困難な課題について考える契機を得ることができました。