恋人や配偶者に対し、男性は調停屋に、女性は教育委員長になりたがる・・・【情熱的読書人間のないしょ話(449)】
散策中に、非常に背の高いヒマワリを見つけたので、念のため巻き尺で測ったところ、3.7mありました。濃桃色の花を付けたサルスベリと薄桃色の花のサルスベリが並んでいます。因みに、本日の歩数は10,373でした。
閑話休題、『ベスト・パートナーになるために――男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール 男は火星から、女は金星からやってきた』(ジョン・グレイ著、大島渚訳、三笠書房・知的生きかた文庫)を読んで、長年、不思議に思っていた謎――女性の考え方、行動に関する疑問が氷解しました。
「男は、恋に落ちることによって、自分のことはさておいても女性のために全力を尽くしたいと願うようになる。・・・彼女を幸福にするためには、いかなる困難にも耐えることができる。彼女の幸福は、すなわち自分自身の幸福だからである。彼は、より高い目標に向かって活力を与えられることになる」。「男性がもっとも恐れているのは、自分は力量不足で、彼女にはふさわしくないのではないかということである。彼は、その恐怖心を取り除くために、自分の才能や力を磨くことに専心するだろう。成功、目的達成、能力向上こそが彼にとって人生最大のテーマなのである」。昔の私も、まさにこのとおりでした。
一方、「女性は、自分がけっして孤独な存在ではないのだということを確信する必要がある。誰かから(とりわけ、特定の異性から)愛され、大切に扱われていると実感したいと痛切に願っているのである」。
こういう男性と女性の間で、どうして齟齬が生じてしまうのでしょうか。それは、男性は「調停屋」に、女性は「教育委員長」になりたがるからだというのです。
「男性の側は、女性が悩み事やトラブルについて話をする際、彼女が必ずしも問題解決を望んでいるのではなく、ただ親身になって聞いてもらいたいと強く願っているのだということを覚えておく必要があるのだ。女性は夫が帰宅すると、一日の出来事、とくに不快だったことやトラブルなどについてしゃべりまくる。しかし、それはほとんどの場合、ただ単に話に耳を傾け、自分の気持ちを理解してもらいたいだけなのである。解決策を教えてくれとは言っていない。実は、このことが彼女にとってはもっとも大切なのだ。じっくり話を聞いてくれ、相槌を打ってくれる相手を彼女は求めているのだ。そこに夫は気がつかず、相手に救いの手を差しのべているつもりで、充分に話も聞かないうちに彼女の話をさえぎり、解決策を示そうとする」。何と、この著者の指摘は私の行動にぴったり当てはまるではありませんか。
異性との人間関係において、最も犯し易い誤りを、著者はこのように要約しています。「●男性は、愛する女性が悩みや心配事を抱えている時に、調停屋、つまり『ミスター・フィクサー』になろうとする。そして、独善的な問題の解決策を押しつけ、彼女の気持ちを変えようとする。しかし、それは彼女の感情をまったくないがしろにすることとなり、少しも歓迎されない。●女性は、親しい男性が何か誤りを犯した時、『教育委員長』になろうとする。そして、頼まれもしないのによけいなアドバイスや批判をして彼の行動を変えようとする。しかし、それは男性の自立心や誇りをいたく傷つけることとなり、かえって反発を呼ぶだけの結果に終わる」。
「家庭内がうまくいっている時は、仕事もそれと比例して成功の一途をたどる。これが私が自らの経験で得た貴重な教訓である」。家庭が安定すると、男性はさらに仕事に精を出せるというのは、私の経験上の実感でもあります。
男性は女性のことを、女性は男性のことを、より深く理解する手がかりを与えてくれる一冊です。