天敵の鳥に食べられないように――昆虫の色と形の工夫のあれこれ・・・【情熱的読書人間のないしょ話(528)】
千葉・野田の茂木本家美術館で開催中の「川瀬巴水展」で、巴水の木版画の世界にどっぷりと浸ることができました。私の最も好きな作品は「大阪道とん堀の朝」と「平泉金色堂」です。当美術館の庭園は端正さが印象的です。奥の稲魂社の木彫りの狐の嫁入りは見応えがあります。駅への帰路に佇む弁財天の神社には湧水池がありました。因みに、本日の歩数は14,372でした。
閑話休題、『昆虫のふしぎ――色と形のひみつ』(栗林慧写真、大谷剛文、あかね書房)は、子供向けですが、大人も十分楽しめる内容です。
例えば、「アゲハチョウの衣がえ」は、このように説明されています。「アゲハチョウの幼虫は、からだが小さいあいだは、鳥のふんにそっくりな色ともようをしています。4回目の皮ぬぎをすると、幼虫のからだはきゅうに大きくなります。そして、からだの色は緑色にかわります。・・・アゲハチョウの幼虫は、やがてさなぎになります。このとき、緑色のほそい枝のところでは緑色のさなぎに、かっ色のふとい枝や幹のところではかっ色のさなぎになります。動けないさなぎにとって、まわりの色ににている方が(鳥に)みつかりにくくてつごうがいいのです。・・・緑色とかっ色のどちらのさなぎからも、黄色と黒のしまもようの成虫がうまれてきます。このもようは、飛んでいるときはよくめだちます。でも、木かげなどにとまると、黒いところがかげにとけこんで、めだちにくくなります」。
「移動するかくれが」には、思わず笑ってしまいました。「かくれがにかくれているだけでなく、かくれがごと移動する昆虫もいます。・・・クロモンアオシャクの幼虫はハギの花びらを、クサカゲロウの幼虫は、食べかすやごみを背中にくっつけます。こうしておいて、ゆっくり移動するなら、めだちません。キスジコヤガの幼虫は、地衣類をちぎってからだじゅうにくっつけています。こうなると、『かくれが』というより『服』ですね」。
「にせの頭」は、そのユニークさに驚かされます。「どんなにめだたない虫でも、ときには鳥にみつかります。では、鳥にみつかった場合、虫たちはどうするのでしょうか。鳥は虫をみつけると、まず頭をねらってつつきます。頭をおさえてしまえば、にげられないからです。シジミチョウやヨコバイのなかまには、しりの方に頭のように見えるもようをもつものがいます。もし、鳥がにせの頭をつついてきたら、反対方向ににげてしまいます。また、どっちが頭か、鳥が少しでもまよえば、そのあいだに、虫はにげてしまうこともできます」。
いずれの例も、鮮明な生態写真が理解を助けてくれます。