「不幸のデパート」も、自分の心に正直になれば、幸せになれる・・・【MRのための読書論(154)】
不幸のデパート
『「誰かのためも大切だけど、そろそろ自分のために生きてもいいんじゃない?」』(旺季志ずか著、学研プラス)の著者は、女性に向けて本書を著したのかもしれないが、男性にとっても重要なことが書かれている。
「心の中はいつも雨――。若いころ、やることなすこと何もかもが、すべてうまくいきませんでした。夢を追いかけて『女優』になったけれど、芸能界にあったのはイジメとセクハラ。やっとできた愛する人に妻子がいると知ったときの衝撃。ようやくもらった役者の仕事は『遺体』――。青いビニールシートの下、水たまりの中で息を止めて、死んでいました。役者中心の生活のためアルバイトは長続きせず、銀座のホステス、吉原の料亭『松葉屋』の花魁ショーの禿役、高層ビルのガラス拭き、チラシ配り、販売員etc.・・・。数えたら50種類もの職を渡り歩いていました。6畳一間の風呂なしアパートに暮らし、銭湯へ行くお金さえなくて、コーラの瓶を拾い、酒屋に持っていって換金していました。田舎の母が送ってくれる米を炊いてしょうゆをかけた『卵かけごはんの卵なし』。それが私の食事でした」。このように「不幸のデパート」だった著者が、今や、売れっ子脚本家として大活躍している。
心を羅針盤に
著者が何とも劇的な変身を遂げることができたのはなぜか。自分の「心」を羅針盤にした生き方が、全てを変えたというのである。「『心を羅針盤にした生き方』とは、何かを選ぶときに、『自分の心がどう感じるか』を最も大事にする生き方です」。本書は、大変身を実現するための具体的なヒント集である。
自分を見直す
●何が嫌いで何が好きかを明確にしていくことは、大きな心の断捨離。
●友達は少なくていい。心の全てを打ち明けられる人だけでいい。
●生きたいように、やりたいように、生きていい。
●「自分を生きる」とは、ありのままの自分で、心のままに生きること。
●自分に対する他人の評価を気にする必要はない。
●男性は、人に悩みを話すとき、解決策を求め、人の悩みを聞くときも具体的な解決策を提示しようとする。一方、女性は、人に悩みを話すのは、話を聞いてもらうのが目的で、解決策は求めていない。
●「ひとり」の時間は、驚くほど自分を育てる。
「女性は、人に悩みを話すのは、話を聞いてもらうのが目的で、解決策は求めていない」という著者の指摘に違和感を覚えたので、女房に確認したところ、女性同士のときはそうかもしれないが、あなたに話すときは解決策を求めているとのこと。私は、女房の悩みを聞くや否や具体的な解決策を提示するタイプなので、いささかホッとした。
自分を中心に据える
●「自分は存在するだけで大切な人である」という前提に立つ。
●自分を他人と比較しない。
●「ない」ものを追い求めない。心が豊かな人は、「ある」ことにちゃんと気づいている。
自己犠牲を止める
●「私自身」が、私の存在の「ど真ん中=操縦席」にいるようにする。つまり、自分軸になっているとき、全ては解決する。
本当の自分を生きる
●あなたの人生を変えられるのは、あなただけ。
●人生を変えるには、ワクワクすること、体が弾むようなことを選択する。
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