娘のために高校3年間、母が作り続けた「嫌がらせ弁当」の写真集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1588)】
打ち上げ花火の音がするので外に出たところ、家々の隙間から遠くの花火が見えました。打ち上げ花火終了後、近所のM家の小学4年と2年の兄弟が花火を始めました。若い母親が蝋燭や消火用の水を用意して見守っています。線香花火は人生を思わせますね。因みに、本日の歩数は10,008でした。
閑話休題、『今日も嫌がらせ弁当――ちょこっと「よろこばせ」(改訂版)』(ttkk<Kaori>著、三才ブックス)は、ちょっとした嫌がらせあり、母親ならではの励ましありの、娘の高校3年間続いた、母の手作り弁当の写真集です。
制作テーマの点でも、娘へのメッセージの面でも、そして、食材の生かし方から見ても、かわいらしい弁当、微笑ましい弁当、恐ろしげな弁当、意外性に溢れた弁当、工夫を凝らした弁当のオン・パレイドです。
例えば、●「気を付けろ赤ずきん!」という弁当の娘への一言は「ママの口が大きいのはお前を怒鳴るためさ!」、●「サマーラブ」は「弾ける夏! お前も弾けろ!!」、●「片付けなさい」は「もう1回言う。洗う人の身になれよ」、●「迅速、確実にお届けします」は「人生を駆け抜けろ。SAGAWAのように!」、●「年の瀬までガンガン行くで]は「お前には、感謝の気持ちはあるのかい?」、●「厄落とし」は「鬼? それはお前だ!!」、●「ピザ攻め」は「ひとつ言っておく。夕飯もピザ」、●「八つ当たり弁」は「イライラの半分をくれてやる」、●「てつこの部屋」は「ゲストに呼ばれるくらいの大物になれ!」、●「睡眠ぶそ句」は「関係なく眠れるお前になりたい・・・」、●「雷様」は「ママの雷、落としたろか?」、●「ZEROつながり」は「お前もたまには炭酸のように弾けてみろ!」、●「元気があれば・・・」は「猪木に代わって闘魂注入ビンタしてやろか?」、●「ダメよダメダメ」は「都会の誘惑に気をつけろ!!」、●「いろいろ寒い」は「たっぷり稼いで、早くラクさせろ」、●「打倒インフルエンザ」は「自分の身は自分で守れ!!」、●「最後の小言・その1」は「親は召し使いじゃないんだぞ!!」、●「最後の小言・その3」は「夢は見るもんじゃない、叶えるものだ!」――といった具合です。
食材の生かし方では、●ケチャップからぬっと突き出ている、ウィンナー・ソーセージで作った人間の指、●昆布で形作った髪の毛がおどろおどろしい貞子、●大きな海苔に浮かび出たムンクの「叫び」、●海苔で作った視力検査表、●海苔で作った漢字パズル、●海苔で書いた四字熟語、●海苔で書いた「態度は小さく 声はでっかく」――と、抱腹絶倒ものばかりです。また、高校3年の最後の弁当の蓋の裏には、「表彰状 娘殿 あなたは嫌がらせのお弁当を残さず三年間食べ続けました。その忍耐を称えここに表彰します。母」と書かれた表彰状が貼られています。
八丈島で暮らすシングル・マザーと二人の娘に幸いあれ!