AIが人間の知能を凌ぐ時代は必ずやって来る。その時、我々はどうすればよいのか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1755)】
小さな庭が見える食事処で、女房が私の4日遅れの誕生日祝いをしてくれました。因みに、本日の歩数は10,072でした。
閑話休題、将来、AI(人工知能)が人間の知能を上回り、人間の仕事を奪うのではないかという設問に対して、楽観的な予測が多い中で、『わが子をAIの奴隷にしないために』(竹内薫著、新潮新書)は、遅かれ早かれ、AIは人間の知能を凌ぐという立場を表明しています。
「シンギュラリティ(特異点。AIの知能が無限大となり、予測不能になってしまう時)後の世界において、地球の主役は人類からAIに代わります。AIがAIを設計するようになり、もはや人類は、サイエンスとテクノロジーのブラックボックスの中身を見ることができなくなるでしょう。そのような(第4次産業革命の)未来においても、AIの使命が『最適化』である限り、第5次、第6次・・・第n次の産業革命は進むにちがいありません。一方で、再生医療が進み、がんが根治可能となり、自らの脳をインターネットに直結するようになった人類は、AIとの『融合』が進むでしょう。そうなると、人類とAIの区別に意味はあるでしょうか。・・・生命や意識、宇宙の大いなる謎の解明も夢ではなくなるかもしれないのです」。
このような未来像を踏まえた上で、「第4次産業革命とAI時代は『脅威』ではありません」と断言しています。「これからやってくる社会の大変動は、脅威ではなくチャンスと捉えるべきです。安定期には社会階級が固定化され、いくら頑張っても上へ行くことはできません。しかし、社会システムが変動している時期は、先を読んで頑張った人にはご褒美が待っています。あなたが20代、30代ならば、まだ遅くありません。プログラミングの基礎を学び、英語力を磨いて、さらなる自己実現を目指すべきです。あなたが40代、50代以上ならば、これからの新入社員とどう向き合うかを真剣に考えつつ、自分の子どもや孫の未来が探究/プロジェクト型となるよう『遊(YOU)』環境を整えるべきです」。「遊」とは、著者独自の用語です。「前提となるのは、『答えのない世界』です。キーワードは知識の『探究』と、仲間たちとの『プロジェ/プロジェクト』です。その結果が、『創造力』であり、『臨機応変』です。この全体を私は『遊』と呼びたいと思います。答えのない世界で、あなた(YOU)が自主的に遊ぶこと」。
「人類は、これまで3度の産業革命を生き抜いてきました。4回目の産業革命も、社会システムの変化に適応し、創造的に工夫して生き残ることができるはずです。怖がらず、理解し、未来に向けて自らを投げ続ければよいのです」。